特別展「ヴァチカンと有馬」 禁教令下の史料など展示 南島原市

 南島原市南有馬町の有馬キリシタン遺産記念館で、世界遺産登録推進特別企画展「ヴァチカンと有馬」が開かれている。21日まで(木曜の8、15両日は休館)。

 16~17世紀のバチカンと有馬地方の関係について理解を深めてもらい、島原・天草一揆の舞台となった原城跡(同市南有馬町)を含む「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界遺産登録に向けた機運を盛り上げようと市が初めて開催。キリシタン文化繁栄から禁教令下の時代にかけて交わされた史料など7点を展示している。

 会場では、歓待を受けた天正遣欧少年使節団が「見聞したことを日本で披露し、布教を約束する」旨を記したベネチア共和国政府への親書(1585年)、迫害で苦しむ日本人信者宛てに教皇パウルス5世が出した激励の手紙に対する島原半島の信者による返書(1620年)=ともに複製、バチカン図書館所蔵=などを展示。来場者が見入っている。

 同記念館の入館料は大人300円など。開館は午前9時~午後6時。

島原半島の信者が教皇に宛てた返書(手前)などに見入る来場者ら=南島原市、有馬キリシタン遺産記念館

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