川崎会長兼社長・水口誠専務執行役員の一問一答、「再発防止に全力を挙げる」

――後任社長はじめ新体制を決めていないが。

川崎「昨日の取締役会で外部調査委員会の調査報告を受けた。多数の皆様に多大なるご迷惑をおかけした責任を取り、新しい経営体制で再発防止策に取り組むべきだと決意して、辞任を申し出て受理されたところだ。独立社外取締役会の意見もお聞きし、リーダーシップを発揮できる人材に託したい。私は4月1日まで会長兼社長としての務めを精いっぱい果たす」

――退任を決意した時期は。

川崎「1週間ほど前に外部調査委員会の調査報告の骨子を聞き、辞任する覚悟を決め、昨日正式に決断した」

――大きな事故につながる案件はないが、社会的な影響は小さくない。

川崎「多くのお客様、取引先の皆様にご迷惑をおかけした。安全検証を全力で速やかに終え、再発防止対策を誠実に愚直に実行することが我々の使命であり、最大限努力する」

――社外調査委員会の調査報告書を全部公表しない理由は。

水口「海外当局の調査、海外での訴訟が存在する。海外での司法対応を考慮し、弁護士との守秘義務関係を保つため、そのままの公表は取りやめた。本日公表資料で事実関係は忠実に反映している」

――なぜ事業部門間の縦割りの壁を取り壊せなかったのか。

川崎「アルミ・銅事業部門に集中した不適切行為は極めて古い時代から起きていた。2016年の神鋼鋼線ステンレスのJIS法違反の反省から、経営陣と現場はもっと会話しなければならないと考えてきた。その取り組みの中から事案を表面化させることができたと思う。時すでに遅しではあったが、今後の再発防止に全力を挙げていく」

――なぜ鉄鋼事業の神鋼鋼線ステンレスで不正が発覚した後、すぐ全体で検証しなかったのか。

川崎「アルミ・銅事業部門では該当する課題はないと考えてしまった。私自身の経営者としてのコンプライアンス意識の低さだったと悔やんでいる」

――新たに明らかになったものを含めた安全検証の終了の見通しは。

水口「お客様のご判断によるが、当社としては速やかに安全検証を進めていきたい」

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