【神戸製鋼、品質不正の再発防止策】ガバナンス強化を徹底、会長職廃止、「指名・報酬委」設置 毎年10月を反省込め「約束月間」に

 神戸製鋼所は6日、品質不正問題に関する外部調査委員会の結果報告がまとまったのを受け、再発防止策などを発表した。問題発生の原因の一つとされたガバナンスに関しては、会長職を廃止するとともに、任意の「指名・報酬委員会」を設置するなどの改善策を決めた。

 また、全事業部門長を取締役とする体制を見直し、素材系、機械系、電力系で各1人の取締役を置くとともに、コンプライアンス総括、品質総括の取締役を配置する。このほかリスク管理体制の見直しや組織閉鎖性の改善などを徹底し、再発防止につなげる。

 再発防止策ではこのほか、コンプライアンス違反への反省を持ち続けるため、毎年10月を「KOBELCOの約束月間」とする。また、新たに品質ガイドラインを策定することも決めた。

 外部調査委員会は報告書で、不正が発生した原因として(1)収益偏重の経営と不十分な組織体制(2)バランスを欠いた工場運営と社員の品質コンプライアンス意識の低下(3)不十分な品質管理手続き―の3点を指摘。品質コンプライアンス体制の不備や納期優先の風土などが不正行為を行った動機になったとした。

 一方、不正への役員の関与についてはアルミ・銅事業部門のみとし、執行役員がその存在を認識し、事業部門長に報告していなかったと指摘した。

外部調査委、不適切事案を新たに指摘

 外部調査委員会の報告によると、不適合製品の納入先として公表した525社に加え、機械事業部門や神鋼環境ソリューションなどで新たな不適切事案があった。納入先は600社を超えるという。

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