支配下昇格どころか、開幕1軍も? 中日の24歳育成右腕に森監督も期待

中日・木下雄介【写真:福谷佑介】

2016年の育成ドラ1木下雄、背番号201の右腕がファンに与えた“衝撃”

 中日に加入した松坂大輔投手のナゴヤドーム初見参で大きな注目を集めた4日の楽天とのオープン戦。この試合で、もう1人、ナゴヤドームでのデビューを飾った選手がいた。

 木下雄介、24歳。背番号201。中日期待の育成選手である。

 2016年の育成ドラフト1巡目でドラゴンズに入団した木下雄。徳島県の生光学園高から駒澤大に進んだが、右肩を故障して1年で中退。その後はアルバイト生活や不動産関係の会社で会社員となり、野球からは離れていたものの、想いは捨てきれずに、2015年3月に四国アイランドリーグplusの徳島に練習生として入団した。2015年シーズンが開幕した後、正式に契約を結び、2016年には28試合に登板。そのオフに中日から育成ドラフトで指名を受けた。

 1年目はウエスタンリーグで22試合に登板。オフに台湾で行われたアジアウインターリーグにもNPBウエスタン選抜として参加した。今春キャンプでは1軍メンバーが集う北谷組に抜擢されて懸命にアピールを繰り返し、キャンプを北谷で完走した。そうして迎えた3月4日。ついに、ナゴヤドームのマウンドに立った。

 松坂がナゴヤドームで初登板するとあって、3万人超の観衆が集まった本拠地。その多くのファンに、木下雄のピッチンングは少なからず衝撃を与えたはずだ。

4日の楽天戦でナゴヤドーム“デビュー”を飾り、最速150キロをマーク

 8回からマウンドへ。先頭の渡辺直人を146キロの真っ直ぐで一ゴロに打ち取ると、続く山下斐紹には、3球目にこの日最速の150キロをマーク。追い込み、131キロのフォークで空振り三振に。三好匠は148キロの真っ直ぐで空振り三振に切って取った。

 2イニング目となった9回は2死から、楽天のルーキー西巻賢二に三塁打を許し、内田靖人の左前適時打で1点を失ったものの、右腕の将来性、可能性を感じさせるのには、十分なピッチングだった。

 現在は背番号「201」の木下雄だが、4日の試合後に森繁和監督は「ピッチングコーチが2イニングを行かせてみたいと言っていたんですけど、まあ1イニング目は自分の投球もできたでしょうし、球数も投げられて2イニングいけたということで、これから楽しみな選手」と期待を寄せ「当然、背番号も小さい番号になっていくと思います」と、近いうちの支配下契約への昇格も“予告”した。

 3日、4日のオープン戦で計20失点と大量失点を喫していた中日投手陣。オープン戦での出来次第では、支配下契約を勝ち取るだけでなく、開幕1軍の切符を掴む可能性も十分にある。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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