マリナーズ復帰イチローにエールも…古巣オリックス、「51」は「空けておく」

マリナーズへの復帰となる入団会見に臨んだイチロー【写真:盆子原浩二】

長村球団本部長「彼が望んでいた結果になってよかった」

 6年ぶりにマリナーズに復帰したイチロー外野手。今オフはFA市場が停滞していたため、仮に日本球界復帰となれば、いの一番で手を挙げる準備を進めていたのが古巣・オリックスだ。メジャーでのプレーを最優先で考えていたイチローの新天地が決まり、長村球団本部長は「彼が望んでいた結果になってよかったと思う。今シーズンも頑張ってほしい。日本でという状況になれば今まで同様、『是非うちで』というスタンスは変わることはない」と祝福した。

 背番号「51」。イチローの代名詞でもあるこの番号は2001年にメジャーに移籍してから現在まで、誰もつけていない“永久欠番”的な扱いになっている。イチローが日本球界復帰を決断した時に備え「51」を空けている。長村球団本部長も「今年はマリナーズでやることになったが、まだもう少し、51の番号は永久欠番ではないが、空けておくことになるんじゃないか」と語っている。

 何年先になるかは分からないが、オリックスがイチローの復帰を待つスタンスに変わりはない。本来なら「51」にふさわしい選手が現れることがチームにとってプラスになる。だが、イチローに匹敵するようなスター選手が現れていないのが現状だ。

1995、96年Vメンバー福良監督「今年どれだけの数字を残すか今から楽しみ」

 1995、96年のVメンバーでもある福良淳一監督も、日本球界復帰報道があった際には「オリックスなら、すぐにでも1番・センターでいけるよ」とリップサービスをしていたが、本心は違った。「初めから日本でやることはないと思っていたよ。やっぱり向こう(メジャー)でやる気持ちは変わらないでしょ。希望もそうだったし」と“元同僚”の古巣復帰に現実味はなかったと口にする。

 今年1月にはほっともっとフィールド神戸で自主トレをするイチローを訪問。打撃練習、キャッチボールなど質の高いトレーニングを見て感心したという。「去年より体のキレ、肩の強さ、スイングの形、すべてが上回っていた。あいつに年齢は関係ない。チームの起用法にもよるけど、今年どれだけの数字を残すか今から楽しみですよ」と期待を込めている。

「50歳まで現役」を掲げるイチロー。プロ27年目は慣れ親しんだマリナーズで過ごすことになるが、日本球界の宝を生んだ古巣・オリックスはレジェンドの復帰をいつまでも待っている。

(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)

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