レイズが画期的な「4人制ローテーション」を採用へ

レイズのケビン・キャッシュ監督は、今季の戦いにおいて4人制ローテーションを採用することを明らかにした。一見、古い時代への回帰のように思われる決断だが、どうやらこの4人制ローテーションは一般的な4人制ローテーションとは様子が大きく異なっているようだ。

今季のレイズはクリス・アーチャー、ブレイク・スネル、ジェイク・ファリア、ネイサン・イバルディの4投手が先発ローテーションを形成する予定となっている。中3日で先発ローテーションを回していくのかと思いきや、キャッシュは必要に応じてリリーフ投手だけで試合をやり繰りする「ブルペン・デイ」を設けるつもりだという。要するに、休養日などがあり中4日で4人制ローテーションを回せるときは4人制ローテーションを維持し、連戦が続く場合は5人目の先発投手として「ブルペンによる投手リレー」を展開するということだ。

今季からレギュラーシーズンに休養日が2日追加され、昨季までに比べるとスケジュールは幾分か楽になる。しかし、MLB公式サイトでレイズの番記者を務めるビル・チャステインが試算したところ、「ブルペン・デイ」は少なくとも22試合必要になるという。「4人制ローテーションで何ができるかを見てみたいんだ」とキャッシュは語るが、前代未聞の大きなチャレンジであると言って差し支えないだろう。

「ブルペン・デイ」に2~3イニングを投げる投手として候補に挙がっているのがマット・アンドリース、アンソニー・バンダ、ヨニー・チリーノス、オースティン・プルーイット、胡智為(フー・チーウェイ)、ライアン・ヤーブローといった面々。彼らはいずれもマイナー・オプションを残しており、AAA級と選手を入れ替えながらの柔軟な起用も可能である。先発ローテーションに入り切らない投手を有効に活用するための画期的な起用法というわけだ。

先発ローテーションを担うアーチャーやイバルディもチームの方針に対して好意的な反応を示しており、レイズはこのまま画期的な「4人制ローテーション」を採用してレギュラーシーズン開幕を迎える可能性が高い。レイズのチャレンジはどのような結果を生むのか。今回のチャレンジの成否次第では、球界に大きな変化がもたらされるかもしれない。

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