投手の名誉となる「開幕投手」 2018年の大役を務めるのは誰だ

自身初となる開幕投手を務めることが濃厚なソフトバンク・千賀滉大【写真:藤浦一都】

ホークス、西武、楽天、阪神、巨人が公に発表

 先発投手にとって、1つの名誉となるものといえば“開幕投手”である。チームにとって、シーズンの出だしとなる開幕戦。独特の緊張感、雰囲気に包まれるその試合で先発マウンドを託されるのは、大半が各球団で「エース」と呼ばれる投手たちだ。監督をはじめ首脳陣、そしてチームメートからも全幅の信頼を寄せられる、そのシーズンの柱、核となるべき投手が立つ場所、それが開幕戦のまっさらななマウンドである。

 2018年のプロ野球もオープン戦が始まり、3月30日の開幕戦まで約3週間となった。果たして、今季はどの投手が開幕投手を務めるのか。すでに、その大役を託された投手もいれば、まだ選考段階にあるチームも多い。現時点で開幕投手が決まり、公となっているのは5球団だけ。例年よりも少ない印象だ。すでに大役に決まったのは以下の通り。昨季、日本一となったソフトバンクから見ていく。

ソフトバンク 千賀滉大(22試合13勝4敗 防御率2.64)初
西武 菊池雄星(26試合16勝6敗 防御率1.97)3年連続3度目
楽天 則本昂大(25試合15勝7敗 防御率2.57)2年ぶり5度目
阪神 ランディ・メッセンジャー(22試合11勝5敗 防御率2.39)4年連続5度目
巨人 菅野智之(25試合17勝5敗 防御率1.59)2年ぶり4度目

 どの投手も順当と言えるだろう。それぞれのチームの枠を飛び越え、球界を代表するような投手の名前が並ぶ。ソフトバンクは昨季最多勝の東浜巨も候補と目されていたが、千賀に託された。阪神のメッセンジャーは4年連続での大役を任されたが、キャンプ中に右肩の違和感が出たため、調整はペースダウン。状態が心配されている。

 すでに開幕投手が決まった5球団に対し、7球団では開幕投手が正式には決定していないか、まだ表明されていない。今後のオープン戦などの結果、内容を見て決まることになるだろう。その7球団で開幕投手候補には、次の面々が挙がる。

オリックスは西が有力、他球団の候補は…

〇オリックス
西勇輝(17試合5勝6敗 防御率3.44)
ブランドン・ディクソン(25試合8勝9敗 防御率3.24)

〇日本ハム
高梨裕稔(22試合7勝7敗 防御率3.68)
上沢直之(15試合4勝9敗 防御率3.44)

〇ロッテ
涌井秀章(25試合5勝11敗 防御率3.99)

〇広島
野村祐輔(25試合9勝5敗 防御率2.78)
薮田和樹(38試合15勝3敗 防御率2.58)

〇DeNA
今永昇太(24試合11勝7敗 防御率2.98)

〇中日
大野雄大(24試合7勝8敗 防御率4.02)
小笠原慎之介(22試合5勝8敗 防御率4.84)
ディロン・ジー(新加入)

〇ヤクルト
デービット・ブキャナン(25試合6勝13敗 防御率3.66)
石川雅規(23試合4勝14敗 防御率5.11)

 オリックスは、エースの金子を開幕2カード目のロッテ戦に起用する方針で、ソフトバンクとの開幕戦は西の起用が最有力となっている。日本ハムは開幕投手最有力だった有原航平が、アリゾナキャンプ中に右肩の炎症を発症。開幕ローテ入りも危うい状況となり、高梨、上沢らが候補に。広島は野村が、DeNAは今永が最有力とされている。

 中日は大野雄が筆頭候補だが、7日のヤクルト戦で3回6失点と炎上し、課題を残した。将来のエース候補の小笠原慎之介に大役を託すか、メジャーでも開幕投手経験のある新助っ人のジーも選択肢としてあり得る。ヤクルトは昨季チームで唯一、規定投球回に到達したブキャナンが務める可能性が高いだろう。

 チームを勢いづけられるかどうか、大きな意味を持つ開幕投手。すでに決定している5人はどう調整を進めていくのか。そして、まだ決まっていない7球団は誰が、その大役の座を射止めるのか。残り約3週間のオープン戦も、目が離せない。

(Full-Count編集部)

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