古巣復帰のイチロー ギャメル復帰までは正左翼手として起用へ

日本時間3月8日にマリナーズとの1年契約が正式に発表されたイチローは2012年以来、実に6年ぶりの古巣復帰となった。イチローをチームに加えることを決断したジェリー・ディポートGMはイチローの起用法について、少なくともベン・ギャメルが戦列に復帰するまでは正左翼手として起用する方針であることを明らかにした。

昨年12月にマーリンズからディー・ゴードンを獲得したマリナーズは、ギャメル、ゴードン、ミッチ・ハニガー、ギレルモ・エレディアで外野の4枠が確定し、イチローと再契約を結ぶ可能性はゼロに等しかった。しかし、ギャメルが右の腹斜筋を痛めて2ヶ月近く戦列を離れることが確実になり、ハニガーとエレディアも故障明けという状況。そのなかでディポートはイチローをチームに迎え入れることを決断した。

そして、ディポートはギャメルが戦列に戻るまでの間、イチローを週に4~6試合起用する方針だという。「球団の象徴を定期的にベンチに座らせておくようなことは考えていない。レギュラー級の打席を与えて、彼ができることをやってもらうつもりだよ。昨季の後半戦を見ればわかるけど、彼はまだ優れた選手だし、たくさんのことができるからね」とディポート。イチローは昨季の後半戦、代打が中心の限られた出場機会のなかで打率.299、出塁率.384、OPS.763をマークしており、ディポートはイチローがまだレギュラーとして通用する選手であると考えている。

また、ギャメル復帰後については「(選手起用に)これまでになかったフレキシビリティが生まれるだろう」と語っており、ディポートがイチローを戦力の一人として考えている様子がうかがえる。入団前の身体検査の結果、44歳のイチローは20代中盤の選手と同等の数値を叩き出したとの情報もあり、2014~2016年のように400打席前後の出場機会をこなすことも十分に可能だろう。

左打者でありながら左腕を苦にしないイチローについて、ディポートは「彼はプラトーンが不要な選手だ」と語っており、ギャメル復帰までの間は、相手投手の左右に関わらず正左翼手として起用される見込み。少なくともシーズン最初の2ヶ月ほどは、マリナーズのレギュラーとしてプレイするイチローの姿が見られそうだ。

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