巨人から栃木へ、村田修一の背中を押した言葉「息子たちに見てもらいたい」

BC栃木への入団会見に臨んだ村田修一【写真:荒川祐史】

元G村田修一、栃木入団会見で明かした胸中

 ルートインBCリーグの栃木ゴールデンブレーブスに入団することが決まった元巨人の村田修一内野手が9日、栃木県小山市内で記者会見に臨み、決断の理由や新天地への意気込みについて語った。 

 昨季限りで巨人を自由契約となった37歳。その後、新たな道を模索する過程で家族や友人とも語り合う時間があったという。 

「プロに入ってから15年間、野球をやっていた。なかなか家族と一緒に人生のことを考える時間がなかった。いい時間をいただいた。いろいろ考えた。相談もした。今までにないくらい家族と会話ができた」 

 そう振り返る村田の背中を押したのは子供たちの言葉だった。 

「ユニフォームをまた着て欲しい。息子たちにもそう言われた。最後の試合を、どうやって終わったか覚えていない。息子たちに見てもらいたい」 

同級生も後押し、「僕だけでは決断できないことはいっぱいある」

 また、友人たちにも後押しされたという。「地元に帰って同級生と一緒に酒を交わす機会もあった。高校の同級生、大学の同級生といろいろ話す中、一緒に野球を続けてきて、このまま辞めるのは寂しいとみんなに言われた。僕だけでは決断できないことはいっぱいある。周りの人に支えられてここまできた」。 

 栃木・小山は大学の恩師の出身地であり、妻の実家もある。「プロに入ってから応援してくれた栃木のお父さん、お母さんに近くで見せられる。これほどいいことはない」と村田。引退を考えたかとの問いかけには「チャレンジすることは間違いではない。色んなチャレンジの仕方がある。話がない時点で辞めて、次の人生のチャレンジをしてもよかったけど、野球をしたいという思いがあった。地域貢献活動など、いろいろ加味して、ゴールデンブレーブスと意見が一致した。辞めるのはいつでもできる。続ける場所をいただいて感謝している」と力を込め、契約へと至った球団に感謝した。 

 将来的にはNPBへの復帰も見据えた再出発。「今年の期限。7月31日。それまでに復帰があるのか、ないのか。僕が判断する、しないではない。お声がかかれば行く。その先のことは考えていない。まずはブレーブスさんのために野球をする」。再び「25」を背負うことになった37歳は、チームのために、栃木のために、家族のために、支えてくれる人々のために、そしてNPBへの切符をつかむために、懸命にバットを振り続ける。 

(「パ・リーグ インサイト」新川諒)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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