米、鉄鋼・アルミの輸入制限決定、経産省・鉄鋼業界、対抗措置拡大を懸念

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 トランプ米大統領は8日、通商拡大法232条(国防条項)に基づき、鉄鋼、アルミニウムの輸入にそれぞれ25%、10%の上乗せ関税を課す輸入制限措置を決定した。15日以内に関税賦課を実施する。カナダ、メキシコを除くすべての国・地域が対象。米国の同盟国については協議次第で除外される可能性が残るものの、年間175万トンの鉄鋼製品・半製品を対米輸出する日本の鉄鋼業界に直接・間接に影響が出るのは必至だ。

 経済産業省は9日、「米国の市場を閉ざすのみならず、アジア地域を含む世界の鉄鋼・アルミニウム市場を混乱させ、多角的貿易システム全体に大きな悪影響を及ぼしかねない」などとする世耕弘成経産相の談話を発表した。

 米国の決定は、各国による対抗措置を誘発する可能性もある。日本鉄鋼連盟の進藤会長は9日、米国の決定に対し「誠に遺憾」とするコメントを発出。その中で、米国の決定は「各国による対抗措置発動の引き金になりかねない」と指摘した。

 経済産業省も対抗措置の拡大を懸念する。例えば、米国の決定をセーフガード(緊急輸入制限措置)とみなし、自国産業の一時的な保護のために対抗的なセーフガードを発動する国・地域が出てくる可能性もある。

 経産省はWTO(世界貿易機関)ルールの枠内での解決が基本との立場を採っており、こうした方針を関係国に働き掛けていく方針だ。

 この一環として、先週末にはベルギー・ブリュッセルで開かれた日米欧3極貿易大臣会合の場を活用、EUに対し、日本側の基本的な考えを伝えたもよう。一方、米国に対しては改めて、日本を除外することを求めた。

 日本の2017年の対米鉄鋼輸出は175万トン(約17億ドル)。金額ベースでは、鋼管(約22%)、線材(約13%)、熱延鋼板(約11%)、半製品(約10%)、軌条(約8%)などが多い。一方、アルミ製品の対米輸出は約4万トン(17年)で、板、管、箔などが主体。経産省は日本企業への影響を精査した上で、必要な対応を検討する。