障害者自立へ、口腔ケア商品を販売 熊本市の支援事業グループ

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のみ込んでも無害な口腔ケア商品の販売を始める「はーとアラウンドくまもと」関係者ら。中央は開発したベンチャー企業「トライフ」の手島大輔社長=熊本市中央区

 熊本市内の約20の障害者就労支援事業所でつくる「はーとアラウンドくまもと」は、高齢者らがのみ込んでも無害な口腔[こうくう]ケア商品の販売を始める。障害者の自立を目指して商品を開発した横浜市のベンチャー企業と協力。同団体の福島貴志会長(54)は「共同で取り組むことで販路を広げ、工賃アップにつなげたい」と話している。

 ベンチャー企業「トライフ」の手島大輔社長(47)は障害者2人の父。「障害者の工賃平均は月額1万円台。親亡き後に子どもたちの生活がどうなるのか不安を抱えていた」という。また、がんになった父親の介護をする中で、高齢者の口腔ケアの難しさを目の当たりにした。

 「障害者が自立するには強力な事業が必要」と考え、九州大などと協力して高齢者も安心して使える口腔ケア「オーラルピース」を開発した。

 歯磨きジェルとスプレーで、虫歯菌や歯周病菌に効く。おからや梅からできた天然素材を使っているため、のみ込んでも胃腸で消化されるという。

 トライフは2013年にオーラルピースの販売を開始。障害者が製造、販売、納品などを行うビジネスモデルを確立した。現在、全国約300カ所の障害者施設が販売している。小売価格はいずれも1080円。

 熊本地震後、益城町などの避難所に無料で配布した。のみ込めるため歯磨きに水がいらず、被災者に喜ばれたという。

 「はーとアラウンドくまもと」の20事業所が、一つの商品を共同で仕入れ、販売するのは初めて。トライフとの協力で障害者の工賃アップを図る。

 「高齢者らに役立つ商品を扱うことで、障害者にとっても『社会を支えている』という自信につながる」と福島会長。「水がいらない歯磨きとして、行政や高齢者施設の防災用備蓄としても売り込みたい」と販路拡大を狙う考えだ。

 18日、熊本市中央区の花畑広場などで開かれる「オハイエくまもと」の音楽祭で販売を開始。各事業所やイベントでも売り出す。熊本YMCA就労支援センターTEL096(312)1333。(清島理紗)

(2018年3月12日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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