遊撃手の黄金時代が到来 新時代を担う若き遊撃手たち

現在のメジャーリーグは「遊撃手黄金時代」を迎えている。昨季のワールドシリーズに出場したアストロズとドジャースにはカルロス・コレアとコリー・シーガーという若き正遊撃手がおり、その他の球団でも若手遊撃手が活躍している。彼らには今季も素晴らしい活躍が期待できそうだ。

各球団のメンバー表をザッと眺めてみるだけでも、ここ数年でメジャーへ昇格し、スターダムへとのし上がってきた若手遊撃手が非常に多いことに気付かされる。先述のコレアとシーガーはもちろん、インディアンスの顔となったフランシスコ・リンドーア、ナショナルズが誇るスピードスターのトレイ・ターナー、そして今季から本職の遊撃に戻るマニー・マチャドらがその筆頭である。

Steamerの成績予想システムをもとに、今季の各ポジションの予想WARトップ10選手の平均年齢を算出してみると、遊撃手は25.7歳で最も若く、2番目に若い右翼手の27.4歳に2歳近い差をつけている。右翼にもブライス・ハーパー(ナショナルズ)、ムーキー・ベッツ(レッドソックス)、アーロン・ジャッジ(ヤンキース)といった若きスター選手がいるものの、それでも遊撃手の若さには敵わないのだ。

予想WARトップ10に名を連ねている遊撃手は、リンドーア(6.1)、マチャド(5.6)、コレア(5.4)、シーガー(5.2)、ターナー(4.0)、アンドレルトン・シモンズ(エンゼルス:3.5)、ザンダー・ボガーツ(レッドソックス:3.3)、ブランドン・クロフォード(ジャイアンツ:3.0)、アディソン・ラッセル(カブス:2.9)、ディディ・グレゴリウス(ヤンキース:2.6)の10人。クロフォード以外は全員20代であり、うち7人が25歳以下である。この10人の平均WARは4.2だが、これは三塁手上位10人の平均WAR4.3に肉薄し、全ポジション中2位の数字。要するに、各球団の正遊撃手には若さと実力を兼ね備えた選手が非常に多いのである。

ほかにも、すでに正遊撃手の座を手にしているオーランド・アルシア(ブリュワーズ)、ポール・デヨング(カージナルス)、トレバー・ストーリー(ロッキーズ)や、今後さらなる成長を期待されるティム・アンダーソン(ホワイトソックス)、J.P.クロフォード(フィリーズ)、アメッド・ロサリオ(メッツ)、ダンズビー・スワンソン(ブレーブス)など、若手遊撃手が目白押し。今季は「遊撃手黄金時代」を担う若手遊撃手たちの活躍に注目したい。

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