450本超えは史上1人…「中距離打者」の指標、二塁打を積み上げた選手たち

今季中の400二塁打達成が期待される広島・新井(左)、ロッテ・福浦【写真:荒川祐史】

300二塁打は69人達成、今年は坂本が射程内

 外野手の守備能力が向上した現代の野球では、三塁打は運も伴ったレアなケースになっている。フィールド内に飛んだ打球では、一番良い当りは二塁打になることが多い。また、二塁打は脚力との関連性も高い。

 NPBでは、二塁打は300二塁打以上、50本刻みで連盟表彰をしている。()は2017年実績

〇300二塁打 過去69人 
坂本勇人(巨)295本 残5本(30本)
荒木雅博(中)269本 残31本(6本)
糸井嘉男(神)269本 残31本(16本)
松田宣浩(ソ)256本 残44本(19本)
中村剛也(西)252本 残48本(14本)

 昨年の二塁打王はパが西武・秋山翔吾の38本、セが巨人・マギーの48本。マギーの記録は史上3位タイだった(シーズン最多は2001年オリックス谷佳知の52本)。二塁打王は大体40本前後が多い。坂本勇人、糸井嘉男は普通に試合に出ていれば達成可能。松田、中村もレギュラーではあるが、脚力の衰えとともに二塁打数が減っているので、今季中の達成は難しそうだ。

〇350二塁打 過去41人
阿部慎之助(巨)341本 残9本(13本)
鳥谷敬(神)334本 残16本(23本)
内川聖一(ソ)325本 残25本(13本)
今江年晶(楽)311本 残39本(7本)
中島宏之(オ)309本 残41本(19本)
栗山巧(西)305本 残45本(13本)

 このクラスになると30代半ば以上のベテランとなる。内川はフル出場すればシーズン前半に達成できそうだが、他の選手は達成が厳しそうだ。

450二塁打達成は過去にわずか1人だけ…

〇400二塁打 過去12人
福浦和也(ロ)384本 残16本(7本)
新井貴浩(広)384本 残16本(14本)
福留孝介(神)352本 残48本(20本)

 400二塁打は過去12人しか記録していない大記録だ。今季可能性があるとすれば、新井貴浩だろう。福浦和也はあと38本に迫った2000本安打に挑戦する過程で、達成の可能性も見えてくるだろう。

〇450二塁打 過去の達成は立浪和義だけ(487二塁打)
松井稼頭央(西)410本 残40本(2本)

 今年、楽天から古巣の西武に復帰した松井は、現時点で歴代9位の410二塁打を打っている。過去にNPBでは30二塁打以上を6回記録。39歳の2014年にも32二塁打を記録している(このほかMLBでは通算124二塁打)。史上でも有数の二塁打打ちではある。しかし、今季西武で松井稼頭央はコーチ兼任であり、出場機会は限定されるだろう。その中でどれだけ二塁打数を刻むことができるだろうか。

 二塁打は、打率が良く、俊足でライナー性の打球を飛ばす「中距離打者」の指標だとされる。ここで紹介した顔ぶれも、多くがそのカテゴリーに属する打者だ。二塁打は大きな注目は集めないが、いわゆる「快打」を表す指標として今季も注目したい。

(Full-Count編集部)

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