オランダ坂の石畳 一部廃棄 長崎市土木部、文化財課に相談せず

 長崎市は12日の市議会環境経済委員会で、同市東山手町の外国人居留地跡にあるオランダ坂の石畳の一部(縦15メートル、幅4・5メートル)で一時的に剝ぎ取っていた板石を文化財課に相談しないまま廃棄していたと明らかにした。石畳は近く新しい板石を使い舗装する。

 市は歴史的景観を残すため、条例に基づいてオランダ坂の石畳の保存計画を策定している。

 市は2012年度に、付近の学校解体工事で通行する大型車両が石畳を破損する可能性があるとし、板石をいったん剝ぎ取って保管。しかし、板石の痛みが激しいことから、当時の土木部だけの判断で廃棄していた。昨年10月に石畳を復旧することとなり、保存計画を所管する文化財課に相談せずに廃棄していたことが判明した。

 石畳は文化財などに指定されておらず、保存計画でも老朽化した場合は新しい板石への張り替えは認められている。ただ、古い板石の調査や記録ができなかったため、市の工事担当者は「庁内の連携不足だった。地域住民にも説明する」と陳謝した。

石畳が剝ぎ取られたオランダ坂。新しい板石で整備される=長崎市東山手町(市提供)

© 株式会社長崎新聞社