トランプ米大統領、「232条」でまたツイート 「豪州は適用除外」

 通商拡大法232条で鉄鋼やアルミの輸入規制措置発動を決めた米国・トランプ大統領が公式ツイッターで「続報」を発信し続けている。9日には豪州のターンブル首相と会談したことを受け、同国を追加関税の対象から外すことを明らかにした。

 トランプ大統領は「ターンブル首相は公平で互恵的な軍事および通商関係を約束した。我々は(豪には)鉄鋼とアルミの追加関税を課さないつもりだ。豪州はすばらしい!」とツイートした。

 豪州から米への鉄鋼やアルミ輸出は少量とみられる。ただ同国の高炉メーカー、ブルースコープ・スチール(BSL)は新日鉄住金と折半出資で建材薄板の合弁事業、NSブルースコープ・コーテッド・プロダクツを手掛け、この傘下には米国西海岸の薄板リローラー、スチールスケープがある。

 このスチールスケープは新日鉄住金などから原板の熱延コイルを調達しているが、豪州が追加関税から免れれば供給ソースの選択肢となる余地が出てくる。一方、米はアンチダンピング(反不当廉売=AD)措置で豪州製ホットに23・25%課税しており、BSLの生産余力が小さいこともあって追加関税が除外されてもホットを大量に輸出できる状況にはない。

 トランプ大統領は10日、安倍晋三首相とも会談したことに触れ「現状は米国が1千億ドルの貿易赤字だ。不公平で持続可能ではない。これは解決するだろう!」と予言。EUについては「追加関税に不満を言っているが、彼らが米製品への障壁や関税をなくせば我々もそうする」とし、自動車への関税をやり玉に挙げた。

© 株式会社鉄鋼新聞社