スポーツ合宿誘致 2年連続100件超 五島市 きめ細かな対応好評

 長崎県五島市が力を入れるスポーツ合宿の誘致が好調だ。本年度の受け入れ団体延べ数は過去最多だった前年度に続いて2年連続100を超える見込み。PR動画の刷新や島で合宿した選手の活躍の紹介をはじめ、滞在中のきめ細かな対応が好評で、選手と島民との交流や経済効果も広がっている。

 市スポーツ振興課によると、前年度の合宿団体の延べ数は105で、参加人数は1987人、総宿泊日数は4422。競技数も約20と多岐にわたり、本年度も同程度となりそう。前年度の誘致に関する市の決算額は約1400万円で経済効果は約4500万円という。

 ほかにも国内トップ級の選手による子ども教室や地元チームとの交流試合、小学~高校生の本土と島の選手の練習試合の実施など費用対効果は高い。昨秋には日本ハンドボールリーグの男子公式戦が初めて島で開かれ、来春はバスケットボールBリーグ3部の試合の開催が決定。今後は島への観光の入り込みが少ない時期への誘致促進や一層の交流拡大が課題といえる。

 本年度はスポーツ合宿をPRする専用ホームページをリニューアルし、県市の助成制度や各種施設概要、選手たちの合宿情報、合宿後の活躍などを紹介。今年2月からは合宿中の選手の姿や声をまとめた新たな動画も公開している。合宿中は選手が走るコースを早朝から掃除したり、選手名を記した旗や看板を設けたり、市職員が側面支援に奔走する。

 現在もヤマダ電機と九電工の陸上部が合宿中。今月13日は福江空港で市職員が横断幕を掲げて選手たちを出迎えた。6年連続で島を訪れているヤマダ電機の森川賢一監督は「ロード(練習)の時に温かく声を掛けてくれる島民も多く選手は元気が出る。充実したトレーニングができている」と話した。

合宿で島を訪れ市職員の歓迎を受けるヤマダ電機陸上部の選手たち=五島市、福江空港

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