自閉症の子 育てる母親を元気に 田頭さんが交流会発足 佐世保 「悩みを共有したい」

 長崎県佐世保市で自閉症の子どもを育てる母親の交流会「にじいろサロン」が発足した。企画した田頭綾子さん(35)=権常寺町=は自らも自閉症の長男(8)を子育て中。「私も悩みを話せる人がいなかった。お母さんが元気になれる場をつくりたい」と話す。

 「目を離すとどこかに行く」「言葉が出るのが遅く、手を出してしまう」-。長男の行動が気になり始めたのは1歳半のころだった。

 成長につれて、小さなころから遊んでいた親子にも謝る場面が増えて“距離”を感じたり、人けのない時間帯を選んで公園で遊ばせたりするようになった。「診断を受け、今できることをやろうと思ってきた。でも孤独なときはあった」と振り返る。

 サロンを発足させたきっかけは、昨年3月に市子ども発達センター(常盤町)で発達に不安がある子どもの母親に自分の経験を話したことだった。エレベーターに何度も乗る行動が話題になり「うちの子も」と笑い合ったり、「仕事をしたいけれど、できない」と涙する母親の話を聞いたりした。

 「話せる機会がたくさんあったらいい」。そう痛感し準備を開始。「雨が上がるように、悩んでいても、いつかは心が晴れる日が来る」という思いを込めて「にじいろサロン」と名付けた。

 8日に権常寺町の地域交流拠点センター「ごちゃまぜ」で初回を開き、9人が集まった。「参加者から『こんな場ができて良かった』と言われうれしかった」と田頭さん。「悩みを共有し、お母さんたちを受け止められるよう長く続けたい」と話した。毎月第2木曜の午前10時~正午に開く。参加費100円。問い合わせは田頭さん(電090・6638・3378)。

「自閉症の子どもを持つ保護者が元気になれる場にしたい」と話す田頭さん=佐世保市、地域交流拠点センターごちゃまぜ

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