旧吉田茂邸、来館10万人 開館282日目 予想超える盛況

 昨年4月から一般公開されている県立大磯城山公園内の「旧吉田茂邸」(大磯町西小磯)の来館者数が13日、10万人に到達した。町は当初、年間3万人程度を見込んでいたが、昨年5月の1カ月だけで約1万7500人が来場するなど予想を上回る盛況ぶりで、開館282日目での大台突破となった。

 10万人目の来場者となったのは、藤沢市に住む建築業の犬塚宣夫さん(65)と、満子さん(64)夫妻。

 建築構造に興味があったという宣夫さんは「再建された後に一度来てみたかった。和室の柱などは高価な茶室と同じもの」と興味深げに話す。町から寄贈された記念品の1年間有効パスポートを手にすると「月に一度は訪れて、庭園の四季の移り変わりや風景を見てみたい」と喜んだ。

 昨年3月には、孫の麻生太郎副総理兼財務相が、吉田元首相と関連がある置き時計を寄贈。昨秋には吉田邸の使用人をしていたという男性から、すずり箱と時計が寄せられるなど、全国から昭和の宰相ゆかりの逸品が送られているという。

 町の担当者は「まだ展示していない、ゆかりの品々もある。この先は(吉田元首相の側近として活躍した)白洲次郎との関わりなどパネル展示をしていきたい」と話していた。

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