バトンつないで42・195キロ 松浦・御厨小6年生が挑戦 卒業前に絆強め門出祝う 参加38人完走

 木々が芽吹き、春の暖かさを日増しに感じる卒業シーズン。松浦市御厨町の市立御厨小(山崎徳行校長、224人)では、卒業前の6年生らがリレー方式でバトンをつなぎ、42・195キロを走るユニークな記念行事を実施している。本年度は参加した計38人が見事に完走。友と絆を強め、互いの門出を祝った。
 題して「卒業記念学級対抗42・195キロリレーマラソン」。市民ランナーとしてマラソンを走る山崎校長が考案し、昨年度から始めた。一人では達成が難しい目標も、仲間と協力すれば成し遂げられると実感してもらおうと企画した。
 リレーマラソンは、校庭の150メートルトラック281周と45メートルを、児童が体力に応じて分担し、学級対抗で走る。保護者や住民、教職員も協力し、昨年度は2時間22分台でゴール。本年度は秋ごろから児童が本格的な練習を開始。放課後、グラウンドで自主トレーニングを重ねてきた。
 今年は9日に開催。大山隼君(12)が「きつくても全力で頑張る」と選手宣誓し、1組と2組に分かれてスタート。中盤には、膝に手を置いてうなだれたり、座り込んだりする児童もいたが、級友が「頑張ろう」と声を掛けて励ました。見守った下級生も「まだまだいける」と声をからして応援し、背中を押した。
 結果は1組が2時間23分28秒、2組が17秒遅れでゴール。全員が爽やかな表情で互いの力走をたたえた。腰のけがで見学した浜野元気君(12)も「みんな完走できてうれしい」と笑顔を見せた。
 閉会式で山崎校長は「感動をありがとう。中学に行って悩むことがあっても、支え合える仲間がいることを思い出してほしい」とエールを送った。6年生を代表して山本青(はる)君(12)が「一周一周全力で走った。今まで以上に絆が強くなった」と感想を述べた。
 同校6年生は19日、卒業式を迎える。

級友や保護者、教員らとバトンをつないで完走した「卒業記念学級対抗42・195㌔リレーマラソン」=松浦市立御厨小

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