吃音 一人で悩まないで 交流グループ「キラ☆スタながさき」発足 24日、第1回カフェ会

 言葉に詰まったり、何度も繰り返したりしてスムーズに発話できない吃音(きつおん)。同じ悩みを抱える仲間や、吃音の子がいる保護者などが交流できる場にしようと昨年12月、吃音症のグループ「キラ☆スタながさき」が発足した。24日午後1時から、長崎市柳谷町の長崎大付属特別支援学校で初めて開く「吃音カフェ」に向け、準備を進めている。
 代表を務めるのは、長崎市西海町の作業療法士、岩永裕人さん(25)。自らも吃音があり、両親や学校に相談できないまま悩んでいた。社会人になって県内の吃音グループに参加し、交流したことで気持ちが楽に。ただ、その会は成人の当事者のみ。吃音がある子どもやその家族、言語聴覚士といった支援者らにもそれぞれの悩みがあり、みんなが集えるグループをつくりたいと考えた。
 岩永さんの呼び掛けに、当事者、保護者、吃音について教える通級指導教室の担当教諭、言語聴覚士ら12人が賛同。吃音があっても、子どもたちや保護者にキラキラ輝いてほしい-と「キラ☆スタ」とグループ名を付けた。
 カフェ会は「小さな子も親子で参加でき、情報を共有したり交換したりできる場を」と企画。11日にイベントの事前会議があり、参加者が気兼ねしないようレクリエーションや、フリートークのテーマなどを決めた。
 吃音は原因も治療法も解明されていないため、悩みを抱えやすい。「お兄ちゃんの生の声を聞いて、当事者や家族が『大丈夫』と思ってもらえるのでは」と、岩永さんがこれまでの経験や、社会人としての生活を話す場も設ける。
 スタッフで、吃音の長男がいる明石弘美さん(56)=同市西北町=も、以前は自分を責め、どこに相談していいか分からなかった。「カフェ会が、悩んでいるのはあなただけじゃないよ、吃音があってもこんな選択肢があるよという、生きていくための引き出しになれば」と期待する。
 「若者目線で、近づきがたいイメージも払拭(ふっしょく)したい」と岩永さん。カフェ会は参加費500円、中学生以下は無料。茶菓子もある。23日まで参加の申し込みを受け付け中。問い合わせはメール(kirasuta.nagasaki@gmail.com)で。

第1回「吃音カフェ」に向け、打ち合わせするスタッフら=長崎市茂里町、もりまちハートセンター

© 株式会社長崎新聞社