ドイツ航空宇宙センター、鉄道総研が共同研究協定 車両の空気力学分野、研究推進

 鉄道総合技術研究所はこのほど、ドイツ航空宇宙センター(DLR)と今後の関係強化に向けた同意書及び共同研究協定を駐日ドイツ連邦共和国大使館で締結した。両者が保有する研究開発能力と資産を活用し協力プログラムを推進。加えて、トンネル微気圧波の模型実験に関して共同研究を進める。

 DLRはドイツの航空技術開発や宇宙開発を担う国家機関。職員数8千人、40の研究所を擁し宇宙や航空のほかエネルギー、運輸に関する幅広い分野の研究開発を行なっている。鉄道総研とDLRは従来、鉄道技術に関する情報交換などを行なってきた。97年には風洞実験における空力音測定に関する共同研究でDLRへ職員を派遣している。

 鉄道総研の熊谷則道理事長は「実力、経験ともに豊富なドイツの研究機関、DLRとの協定は大変光栄。まずは鉄道車両の空気力学に関する諸問題についての共同研究を実施していく。今後は様々な科学技術分野で両者の協力関係を強化したい」とコメント。また、DLRのパスカル・エレンフロイント会長は「鉄道総研をパートナー組織に持ち運輸分野で協力していけることを嬉しく思う。ドイツの経済エネルギー省からも全面的な支援をいただいていることを申し添えたい」とコメントしている。

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