3月に行われる国際親善試合に向け、26名の日本代表メンバーを発表したヴァイッド・ハリルホジッチ監督。
会見は日本サッカー協会のYoutube公式チャンネルで生中継された。
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今回はその代表メンバー発表会見の全文をお届け。
長文になるため、「その1」と「その2」の二記事に分けてお伝えする。
※できる限り口語のまま掲載
ヴァイッド・ハリルホジッチ(日本代表 監督)
「コニチハ。
だんだんワールドカップが近付いてきています。
ワールドカップ前の最終的な合宿になってくると思いますけども、本当に時間が経つのが早いと思っています。
1月からすでに本大会の準備が本格的に始まっているんですけど、私の頭の中にかなりたくさんの準備があります。
ワールドカップ本大会の相手の分析もかなりしましたし、この3チームとも異なったタイプのチームです。
アフリカパワーを押し出しているセネガル、それから東ヨーロッパ系のチーム、それがポーランドですね。それから南米のチーム、それがコロンビアですね。本当に彼らの試合をたくさん見ました。
昨日、ブラジル大会での日本対コロンビア戦をまたもう一回見直しました。
毎回私がやっているように、それぞれの試合で違った戦術を用意しなければいけないなと思っています。
こういった時期は私にとっても簡単ではないんですけども、日本代表がどのように本大会でプレーするのかというのはすでに私は把握しています。
もちろん世界にはいろんな監督さんがいますから、たくさんのプレッシャーがかかる監督さんもいっらしゃるし、そうじゃない監督さんもいるでしょう。それから、選手のチョイスもだんだん始まってますよね。
私はそれに対して、経験があると思っています。できるだけ良い選手を選ぼうという気持ちでいますし。誰が本大会に行ってプレーするのかということですけども、我々は常にサポートをしています。
彼らは強敵を相手に戦わなければいけないですが、下馬評では日本より強い3チームだと言われてますよね。そんなことを言うと私は皮肉屋(悲観主義者?)さんだと言われるかも知れませんけども。
ただ、野心と勇敢さを持ってそれらの強敵に臨まなければいけないと思っています。
本大会はいろんなことが起きると思います。
常に下馬評通りの結果にはならないということもありますよね。前もって強いと言われたチームが1位、2位に終わるかどうかというのはまだ分かりません。
ただ、相手がプレゼントしてくれると期待してはいけません。我々がチャンスを掴みに行くということですよね。ワールドカップ本大会は誰もプレゼントをくれません」
「3年日本にいますけども、このチームに勝つ文化を植え付ける努力をしてきました。
日本人は勤勉性と規律さはすでに持っていました。ただ戦術的、フィジカル的にトップで準備しておかなければいけない。メンタルもかなり準備しておかなければいけない。我々はかなりのことを把握していますから。
ものすごく強い力を持って我々が希望を掴みに行くということをしなければいけない。そのためにトレーニングをし、準備をしていかなければいけない。つまり、どんなに小さなことにも準備をしていくということです。
1月当初からいろんなスタッフがいろんなところで仕事をしてきてくれています。我々が思っているのは、我々は希望を掴めるだろうということです。
本大会に行って、我々が一番弱いものを晒してはいけません。日本が希望を持つということを私は信じています。そのためにトライをして、そのための選手を選ぼうと思っています。
ワールドカップは本当に高い要求をされます。その要求に応えれば良い結果が得られるでしょう。選手もそういった責任感を持って臨まなければいけないと思います。勇気を持ってその希望を掴みにトライするということです。
今回のフレンドリーマッチもそのつもりで行います。本大会まで5試合準備をするつもりです。
そして、グループリーグで戦う相手に似ているチームを探していきます。そしてワールドカップで結果を出しにいくと。マリは今回セネガルに似ていると思いますし、ウクライナはポーランドに似ていると思います。
セネガルのマネやポーランドのレヴァンドフスキはもちろんいないんですけど、ただそういった選手に近い選手はいますから、しっかり強い気持ちを持って本大会のような気持ちでこのフレンドリーマッチを行わなければいけない。
そしてこのフレンドリーマッチで良い結果を出したいなと思っています。そして勝ちたいなと思います。
では、いつものようにここにリストを持ってきました。
多くの怪我人がいると思いますけど、海外にしろ国内にしろですね。
それからなかなかプレーの機会を失った選手もいますよね。クラブの中でグループにも入れてもらえないという状況の選手もいます。
例えば、浅野とか井手口は私にとっては悲しい出来事です。最終予選のオーストラリア戦でヒーローでもあったこの二人ですけどね。現在の状況は彼らを難しくしていると思います。
今回は彼らはリストに入っていません。この状況が続けば、本大会でもリストに入らない可能性があります」
「それから選手のチョイスの話になりますけども、いろんなポジションごとに新しい選手を呼ぼうと思っていますし。今回の合宿は、役割を完璧に遂行してもらないといけないということもありますから。
皆さんもよく分かっていると思いますけど、私やスタッフは国内も海外も見に行ってます。ただ我々の分析では、現段階では本大会に向けてまだトップパフォーマンスになっていない選手が多いのではないかなということです。
そういったことで今必要な選手を考えて、それからそういった選手にトップパフォーマンスに戻ってきてほしいというメッセージを込めてのチョイスを今回やっています。
本大会に向けて2、3週間の準備で終わりっていうわけではないですからね。直近の6ヵ月が大事ですから。
パフォーマンスを保って、それからハイペースのリズムを保って、高いレベルの試合を継続するというのが大事です。
ロシア本大会では日本代表はたくさん走って、かなり速く走ってというのが要求されます。リズムの変化が必要な状況になります。
今回、26人を選びました。
前回の合宿でもそうでしたけど、だいたい2、3人は怪我をしますから。それから長い移動もあって疲労回復も難しいというのもありますからね。
それから、最終リストに入れるべきかどうかの見極めもしていかなければいけないということですから。
私が就任してから、かなりの選手にチャンスを与えてきました。資格がある選手であればもちろん最終リストに入ると思いますけども。たくさんの選手にチャンスを与えてきたつもりです。
ゴールキーパー:
川島 永嗣(メス/FRA)
中村 航輔(柏レイソル)
東口 順昭(ガンバ大阪)
キーパーは三人ですね。
ただ、現段階のパフォーマンスに全て満足しているというわけでありません。もっともっと向上してほしいなと思っています」
右サイドバック:
酒井 宏樹(マルセイユ/FRA)
遠藤 航(浦和レッズ)
「右サイドですね。
日本人選手の候補の中では、稀に見るほど定期的にしっかりパフォーマンスが高い選手(酒井のこと)。
ここ最近調子の良い遠藤。昨夜の試合で遠藤は問題が起きたということですけど、今検査をしている段階だと聞いています。
ただバックアップをもうすでに用意していますので、何が起きても問題はないということですね。
それから左
左サイドバック:
長友 佑都(ガラタサライ/TUR)
車屋 紳太郎(川崎フロンターレ)
宇賀神 友弥(浦和レッズ)
長友選手は、私は嬉しいですね。クラブを変えたにもかかわらず定期的に継続的に試合に出ていると。本当に日本代表に必要な選手ですね。彼の存在感は日本代表に不可欠です。
それから車屋と宇賀神の戦いがこれから始まるでしょう。
我々と合宿をたくさんこなしているわけではないんですけど、右サイドでいけるのか左サイドでいけるのかの見極めをしなければいけない。
どこまでついていけるのかをこれから見ていくという段階です」
センターバック:
昌子 源(鹿島アントラーズ)
植田 直通(鹿島アントラーズ)
槙野 智章(浦和レッズ)
森重 真人(FC東京)
「それから真ん中。昌子、植田、槙野、森重ですけども。最初の三人はもっとできると思います。
そして、森重をなぜ呼んだのかということですけども、まだ彼は準備できている段階ではないと思います。すぐに使うわけでもありません。
ただ、彼がどのような状況になっているかを見極めるため、それから励ますためにも彼を呼んでいます。
彼が以前のレベルに戻るのかどうかというところです。もちろんマヤがいないということもありますから。彼の経験が我々にとってどこまで使えるのか、ということもあります。
まだまだトップパフォーマンスには程遠いのが森重ですね。ただモチベーションを上げるトライを彼としていかなければいけないと思っています。早くレベルを戻してほしいと思っています」