【MLB】斎藤隆氏がパドレス牧田の活躍に太鼓判 「健康でいれば間違いなく活躍」

パドレス・牧田和久【写真:田口有史】

斎藤隆氏に聞く牧田和久の可能性

 パドレスに移籍した牧田和久投手はここまでオープン戦5試合に登板して0勝0敗、防御率3.60の成績を残している。最近2試合では得点を許さない投球で、希有の「サブマリン」はメジャーの舞台でも順調に適応しているといってもいい。パドレスでベースボールオペレーションアドバイザー兼環太平洋アドバイザーを務める斎藤隆氏はメジャー開幕に向けた残り2週間が勝負になるとみている。

 ケガなく順調にキャンプを過ごす右腕はここまで5試合に登板。13日(日本時間14日)のカブス戦では2三振を含む3者凡退と完璧な投球を見せた。斎藤氏は「このあたりまではキャンプの流れのゲームですが、今度はいよいよ(開幕に向け)逆算が始まる。シーズンに対してのゲーム、色んな意味でのアプローチの2週間になる」と分析した。

 斎藤氏は2006年にドジャースとマイナー契約を結び、結果を残しメジャーに這い上がった。メジャー7年間で通算338試合に登板、21勝15敗84セーブ39ホールド、防御率2.34の成績を残しているが、開幕までの残り2週間が一番、緊張感が高まる時期だという。

「ここから緊張がマックスにいく。最初の登板までものすごい緊張感があると思いますが、我々が望むのはとにかくヘルシーでいてくれと、当たり前ですが、基本的なことを望みますね。それができれば、彼はとにかくいいパフォーマンス発揮できる投手だと思う」

 そう話し、牧田にはケガなくシーズンを迎えることを期待した。

斎藤氏が抱く懸念点、「彼は何も言ってないが…」

 ただ、ここまで開幕に向け順調な調整を続ける牧田に対し、斎藤氏は一つ懸念があるという。シーズンで対戦することが多くなるナ・リーグ西地区への登板を控えている点だ。牧田本人が語ったことではないと前置きした上で、「僕は意外にプレッシャーになっているのかなと思う。そこだけですね。対戦してないというのがある。彼がノーマルな右のサイド、オーバーならそこそこ似たデータの投手と照らし合わせることができる。たくさんの不安を抱えていることはないが、彼は何も言ってないがプレッシャーになってなければいい」とポイントを挙げた。

 それでも、日本で十分の経験、実績ある右腕に大きな期待を寄せているのは確かだ。メジャーの先輩でもある斎藤氏は最後にこう語った。

「本人いわく『とにかく開幕に合わせます』っていうのは僕が聞いた言葉。それがいよいよこのあたりから、マイナーの選手がどんどんいなくなる。色んな意味で身の締り方が変わってくる。次の登板ぐらいから、見てみたい。楽しみです。本当にとにかく健康が一番ですよね。いけそうだな、いけるなという感触がちょっとずつ掴めている。健康でいれば間違いなく活躍できるということなので」

(沢井史 / Fumi Sawai)

© 株式会社Creative2