新上五島・有川にコーヒー専門店 下辺さん夫妻「町ににぎわいを」

 長崎県新上五島町浦桑郷の薬剤師、下辺寛弥(ひろひさ)さん(43)、純子さん(42)夫妻がこのほど、同町の有川港近くにカフェとコーヒー豆販売を兼ねた専門店「カトーコーヒー」をオープンした。薬局経営と二足のわらじを履く夫妻は「人口減少が進む島で人が集い、にぎわう場をつくり、お世話になった地域に恩返ししたい」と話す。
 純子さんは北九州市出身。大学卒業後、寛弥さんと結婚し、同市内で暮らしていたが、2005年に寛弥さんの古里である新上五島町で薬局を開くため夫妻で町に移り住んだ。純子さんの両親は北九州市でコーヒー豆の販売を営んでおり、昨年12月ごろから「島の人たちにも親しんでほしい」とコーヒー専門店の開業を構想。店長を務める純子さんは中高生のころ放課後に家業を手伝っており、開業にあたって両親からコーヒーの入れ方などを改めて学んだ。
 店名は実家の「かとう珈琲」にあやかり、2月下旬に開業した。店内は14人収容。訪れた人にくつろいでもらうため、木目調のテーブルで座席の間隔を広くしたという。
 看板商品の「オリジナルブレンド」は100グラム420円から。実家で焙煎(ばいせん)したものを送ってもらっている。「くせがなく、コーヒーになじみが薄い人にもお薦め」と純子さん。「今日のコーヒー」(280円~)などドリンクメニューは持ち帰りができ、ミルなど関連器具も販売している。
 純子さんは「開業によって多様な人たちと出会い世界が広がったし、両親の大変さも改めて感じた」と話す。
 営業時間は午前10時~午後5時半。火曜定休。カトーコーヒー(電0959・42・5655)。

「カト-コーヒー」を開業した下辺純子さん=新上五島町有川郷
「カトーコーヒー」の外観

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