大浦天主堂境内にキリシタン博物館 4月1日開館

 今夏の世界文化遺産登録が期待される「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産、大浦天主堂の境内に4月1日にオープンする「キリシタン博物館」が17日、一足早く報道陣に公開された。
 大浦天主堂は年間約50万人が訪れる長崎観光の中心施設。世界遺産価値の背景にある日本のキリシタン史を知ってもらおうと、カトリック長崎大司教区が、天主堂に隣接する旧羅典(らてん)神学校(国指定重要文化財)と旧長崎大司教館(県指定有形文化財)を改装し、博物館として活用することにした。
 明治-大正期に建てられた貴重な洋風建築物の両棟の中に130点を展示。戦国時代に伝来したキリスト教が、繁栄、弾圧、潜伏の歴史を経て、現代につながっていることを紹介する。天草・大江地区の潜伏キリシタンが隠し持っていたキリストや天使の像、十字架を刻んだメダイ(メダル)など4点は国内初公開となる。
 館長に大浦天主堂の諸岡清美神父、研究学芸部長に大村市の歴史研究者、大石一久氏が就任。天主堂や周辺のガイド育成にも取り組む。
 名誉館長を務める高見三明長崎大司教は「日本キリシタンの崇高な生き方を多くの人に理解してほしい。今後も内容を充実させていきたい」と話した。

歴史的建造物の旧長崎大司教館を活用した展示場=長崎市、大浦天主堂キリシタン博物館

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