フィギュア業界で『Fate/Grand Order』などのスマホゲーム原作が人気の理由

ここ数年フィギュア業界は拡大を続けており、アニメやゲームのキャラクターがフィギュア化すると話題になることも珍しくない。そして、これまでは人気アニメのキャラクターをフィギュア化する一過性のものが主流だったが、ここ最近その動きにも変化が起きている。長期に渡りフィギュア業界をにぎわすコンテンツが増えているのだ。

最初にこの流れを作ったのは、ブラウザゲームが原作で2015年にはアニメ化もされた『艦隊これくしょん -艦これ-」だ。2014年あたりから、グッドスマイルカンパニー(グッスマ)やマックスファクトリー、コトブキヤといった大手のフィギュアメーカーが続々と登場キャラクターをフィギュア化し、現在でも継続し、各メーカーが様々なキャラクターをフィギュア化している。

そして、最近このフィギュア業界でのコンテンツ長期化の流れに大きな影響を与えているのが、スマホ向けゲーム、『Fate/Grand Order』(フェイト・グランドオーダー)を中心としたFateシリーズだ。先月18日に開催されたフィギュア・ガレージキットの祭典「ワンダーフェスティバル2018[冬] 」ではグッスマ、マックスファクトリー、アオシマ、キューズQといったこれまで数年にわたり艦これをプッシュしていたメーカーが揃って今回Fateシリーズをメインの展示物として置くなど、その存在感を強めていた。

元々同シリーズは、2004年発売されたPCゲーム『Fate/stay night』(フェイト・ステイナイト)を始まりとしているが、初代作品発売から10年以上経った現在でも、アニメ・ゲーム・書籍とメディアミックス展開を継続し、『Fate/Grand Order』が2015年からスマホゲームとしてサービスを開始すると、毎回のようにスマホゲームセールスランキングの上位に位置するようになる。こういったスマホゲームとフィギュアの親和性は高いと玩具業界関係者は語る「スマホゲームだと必然的のキャラクターの数が多くなります。人気作となるとその話題性・継続性ともに高く、確実な需要が見込めるようです」とのことだ。

他にも、『マギアレコード 魔法少女まどか マギカ外伝』『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』など、スマホゲームを原作とするフィギュアがワンダーフェスティバル2018[冬] 」では多く見られた。これらのフィギュア業界で人気のスマホゲーム作品は元々アニメやコンシューマーゲームに原作があることが多いのが特徴だ。元々人気だった作品にスマホゲーム版のキャラクターが加わることで、さらにフィギュアの商品化に拍車をかけている。今後もフィギュア業界でこの流れは続きそうだ。各メーカーの目玉商品が殆どスマホゲームのキャラクターとなることもあるかもしれない。(斎藤雅道)

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