小林可夢偉、スーパーGT公式テストは厳しい船出。「ヘイキも悩んでる。クルマをまともに走らせられていない」

 ヘイキ・コバライネンと小林可夢偉という元F1ドライバーコンビで2018年のスーパーGT500クラスを戦うLEXUS TEAM SARD。しかし、今年初のスーパーGT公式セッションとなった岡山公式テストでは初日が14番手、2日目が15番手と最後方に沈むことになってしまった。

 今季からコバライネンのパートナーとして、新たに可夢偉を迎え、2017年に失った王座奪還に挑むLEXUS TEAM SARDのDENSO KOBELCO SARD LC500。岡山テストでは2日間合計で249周を走り込んだが、目立ったタイムでのアピールは叶わず初日は1分19秒163、2日目は1分19秒454がベストタイムとなり、トップとは1秒以上の差をつけられてしまった。

 テスト2日目にロングランを担当した可夢偉によれば、マシンのセットアップが定まっておらず、予選を想定したアタックもできなかったという。

「GTマシンの乗り方はなんとなく掴めてきているんですけど、クルマのバランスがあまり良くない」と可夢偉。

「本当に最後の“こういう乗り方がいいんだ”というところまではいけていないです。なんとなくは分かってるんですけどね」

岡山公式テストでは下位に沈んだDENSO KOBELCO SARD LC500

「(セットアップについて)ヘイキが悩んでしまってる。ピーキーだし、曲がらないし。予選シミュレーションをするレベルに達しませんでした。(自分たちが理想とする形で)クルマをまともに走らせられていないので」

「今は自分自身というよりも、クルマのレベルを上げないと厳しいかな。クルマのレベルを上げた上で、さらに自分の経験を積まないといけない」

 スーパーGTの公式テストは3月24~25日に富士スピードウェイでも行われるが、その2週間後には岡山でシーズン初戦を迎える。

 開幕前最後の走行チャンスとなる富士公式テストに向けて、可夢偉は「もっといろいろなセットアップにトライできることを祈ってます。(スーパーGTへの)慣れの部分はあまり心配してない。自分が(思うように)動かせるクルマを作ることが大事かなと思う」と険しい口調で語った。

 岡山テスト2日目には同じレクサス+ブリヂストンユーザーのWAKO’S 4CR LC500がトップタイムを記録したほか、DENSO LC500も昨年の第1戦岡山では予選9番手から3位表彰台を獲得しており、パフォーマンスの伸びしろは充分。

 残された時間はわずかだが、コバライネンと可夢偉の強力コンビ、これまで数々の勝利を演出してきた田中耕太郎エンジニアにより、セットアップの最適解が見つけられるか。LEXUS TEAM SARDにとって、週末の富士公式テストはライバル以上に大きな意味を持つ。

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