仮想現実で教会見学 観光、教育に活用可能

 今夏の世界文化遺産登録が期待される「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」に含まれる集落内の教会を、仮想現実(VR)で見学できるコンテンツが先月、完成した。観光や教育などに活用が期待できるという。
 県内の文化遺産を3D画像で記録している制作チーム「ナガサキ3Dプロジェクト」と、VR関連企業「ハコスコ」(東京)、映像制作会社「太陽企画」(同)などが経済産業省の助成を受けて共同開発した。
 ドローンと360度カメラで撮影した大量の画像を組み合わせ、教会の精密な3Dコンピューターグラフィックス(CG)を制作。3D眼鏡を掛ければ立体的に見えるほか、紙製のゴーグルとスマートフォンを使ってコンテンツを視聴すると仮想の空間が広がり、実際に教会を訪ねたような疑似体験ができる。
 黒島天主堂(佐世保市)、頭ケ島天主堂(新上五島町)、旧野首教会(北松小値賀町)など5教会のVRを制作。一部をハコスコのウエブサイトで公開している。
 19日は県庁で体験会があり、ハコスコの藤井直敬代表取締役は「観光宣伝や学校の授業のほか、離島に行くのが難しいお年寄りが多い介護施設での視聴など、さまざまな活用が可能」と話した。問い合わせはナガサキ3Dプロジェクトの出水さん(電070・6596・4691)。

3D眼鏡を使用して教会のVRを体験する人ら=県庁

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