16~17世紀、フランドル(現ベルギーなど)を中心に力量ある画家を輩出してきた「ブリューゲル一族」に焦点を当てた展覧会が、東京都美術館で開かれている。ピーテル・ブリューゲル1世を祖に、曽孫までの4世代、ざっと150年の系譜を約100点でたどる企画だ。
ピーテル1世といえば、昨年来日して話題となった「バベルの塔」などの宗教画に、雄大な大自然を表現した風景画。そして何より、農民の姿をいきいきと描いた風俗画が印象深い。
同展に出ている「野外での婚礼の踊り」もブリューゲルらしい作品。祝福に集まった農村の人々は大いに飲み、踊り、語らい、とても楽しそう。
描いたのはピーテル1世ではなく、長男のピーテル・ブリューゲル2世。ピーテル2世は、人気の高かった父の模倣作(コピー)を農民画を中心に量産したことで知られる。