日本鉄鋼協会、春季講演大会が開幕 功績者表彰、名誉会員推挙式も

 日本鉄鋼協会主催の第175回春季講演大会が19日、千葉県習志野市の千葉工業大学新習志野キャンパスで開幕した。21日まで3日間の日程で鉄鋼メーカーや大学・研究機関の研究者、技術者らが講演などで約500件の研究発表を行う。国内外から約1400人が参加する見込みだ。

 初日の19日には同大会の一環として鉄鋼技術・研究分野の功績をたたえる2018年の「一般表彰」(同協会主催)の表彰式も開催。設備技術の進歩・発展の功績で最優秀賞の「生産技術賞(渡辺義介賞)」に選ばれた日新製鋼の三喜俊典会長はじめ約100人の受賞者が順に登壇し、高橋健二副会長(新日鉄住金副社長)から賞状を授与された。

 同時に行われた名誉会員推挙式では、北海道大学の井口学名誉教授、物質・材料研究機構の友田陽NIMS特別研究員、新日本製鉄(現・新日鉄住金)元副社長の嶋宏、二村文友の両氏の4氏が鉄鋼業の発展や鉄鋼技術の進歩に多大な功績を挙げたとして新たに同協会の名誉会員に選ばれた。

 表彰式の冒頭、高橋副会長は「新興国は技術面でも目覚しい躍進を続け、技術競争はますます激化している。鉄鋼原料の劣質化、地球温暖化問題など山積する課題を解決し日本が世界を引き続きリードするには産学連携がますます重要になる」と挨拶。名誉会員に選ばれた嶋氏は「ものづくりの原点は現場、そして人づくりにある。これからもこのことを言い続けていきたい」と述べ、会場の研究者や技術者にエールを送った。

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