アンテナ設計の最適化サービス、三菱マテが提供対象拡大

 三菱マテリアルは19日、昨年12月に開設した「アンテナソリューションセンター」(埼玉県さいたま市)が行う無線通信に関するアンテナ設計の最適ソリューションサービスの提供対象を、一般企業や学術機関などにまで広げると発表した。

 これまでは取引実績のある顧客を中心に提供してきたが、IoT分野の拡大に伴い、幅広い顧客層からの多様な相談に応えられるように体制を強化する。

 同センターには、開設から約3カ月間で10件を超えるアンテナ設計の要望があるなど、IoT分野の拡大で相談件数が増加傾向にある。近年は、デバイス製品の小型化や部品点数の増加、使用材料の変更、高周波回路の省電力化など、無線通信性能に影響を及ぼす条件が煩雑化し、アンテナ設計に高度な技術や評価設備、設計ノウハウなどが求められている。

 同社ではこれまでも無線通信を活用した製品やサービスを扱う顧客のアンテナ設計に関する各種ニーズに対応するため、製品のトータル的な設計・サポートと改善提案を行ってきたが、その体制をより強化し、幅広い顧客の多様なニーズに即したアンテナ設計や最適な無線通信環境の提案を行っていく考え。

 同センターでは、セラミックス工場(埼玉県秩父郡)と連携し、「リバブレーション・チャンバによる放射効率測定」、「同チャンバと無線機テスタの組み合わせによるセルラー帯アクティブ(OTA)測定評価(TRP/TIS測定)」、「電波暗室による2D/3D放射パターン評価」、「3D・CADなどの設計データを利用した電磁界シミュレーションの実施と評価」といった測定・評価サービスを提供している。また、アンテナ設計に関する各種要望に沿った提案内容を豊富な改善事例を交えて紹介する同社のアンテナ設計最適化ソリューションWEBサイトの内容も3月に刷新し、コンテンツを充実させた。

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