「開幕投手」と並ぶ“称号”!? パ・リーグ、過去5年間の「開幕4番」を振り返る

西武・中村剛也(左)と日本ハム・中田翔【写真:編集部、荒川祐史】

開幕4番には「4番らしさ」が求められる?

「開幕投手」ほどではなくても、それに似た話題性を持つ役割として「開幕4番」が挙げられる。とはいえ、開幕戦は公式戦のただの1試合に過ぎない。それでもそこで先発を務め、4番に座る選手に対して特別な意味を持たせる風潮は強い。

 エースも4番も、そのチームを背負って立つ選手の称号だ。ただ有無を言わせぬ実力はもちろんのこと、言葉にできない部分の「エースらしさ」「4番らしさ」も求められることがあり、開幕オーダーが話題になるのもその影響があるのかもしれない。

 そこで今回は、過去5年間における各球団の「開幕4番」を振り返ってみたい。

【北海道日本ハム】
2013:中田
2014:中田
2015:中田
2016:中田
2017:中田

 北海道日本ハムの4番は、5年間全てで中田が担当している。歓喜の日本一を経験した2016年も、悔しい5位に沈んだ昨季も、打線の中心に座っていたのは中田だった。

 4番としての重責を誰よりも知っている中田が、今季も開幕4番としてチームをけん引するだろうか。はたまた、球団史上3人目の3年連続30本塁打を達成したレアードが、中田に代わって開幕4番に座るのか。

【楽天】
2013:ジョーンズ
2014:ジョーンズ
2015:ペーニャ
2016:ウィーラー
2017:アマダ―

 楽天の開幕4番は、外国人選手が多く担当している。昨季は「外国人選手20発トリオ」の活躍も目立ったが、中でも今季の開幕4番最有力候補は、自己最多の31本塁打を放ったウィーラーだろう。

 来日4年目を迎える人気者が、持ち前のパワフルな打撃で、シーズンの頭から楽天打線をけん引することができるだろうか。

【埼玉西武】
2013:オーティズ
2014:浅村
2015:中村
2016:中村
2017:中村

 過去10年で7度の開幕4番を経験している中村は、「さすが」の一言に尽きるだろう。昨季は不振に陥ったと言われながら、貫禄の27本塁打。今年で35歳、17年目とベテランの域に突入しているが、その長打力で今季もチームを盛り立ててくれることだろう。

 その中村の後継者として期待されているのが、昨年中盤から4番に座って23本塁打を放った山川だ。シーズンの最初から伝統ある埼玉西武の4番となれるか、注目だ。

ソフトバンクは内川とデスパイネが熾烈な争い?

【千葉ロッテ】
2013:井口
2014:井上
2015:今江
2016:デスパイネ
2017:パラデス

 千葉ロッテの4番最有力候補は、2014年に64年ぶり「球団新人の開幕4番」を経験した井上だ。これまでなかなか成績を残せなかったが、今年のオープン戦では勝負強い打撃でしっかりと結果を残している。4年の時を経て、未完の大器の完全覚醒なるか。

【オリックス】
2013:李大浩
2014:ベタンコート
2015:中島
2016:モレル
2017:ロメロ

 オリックスの開幕4番には、その年の新戦力が任される傾向があり、昨年入団したロメロもその1人だ。今年は誰が開幕4番に座るのだろう。

 注目は、マレーロとロメロ、昨季チーム最多の31本塁打を放ったT-岡田。脇腹痛から復帰したばかりのT-岡田は「4番を打ちたい」と語っていただけに、開幕4番の座はぜひ勝ち取りたいところだ。

【福岡ソフトバンク】
2013:ペーニャ
2014:李大浩
2015:内川
2016:内川
2017:内川

 福岡ソフトバンクの開幕4番は、2015年から3年連続で内川が担当。昨季終盤は故障に見舞われながらも、クライマックスシリーズでは同一ステージ初となる4戦連発。日本シリーズでも起死回生の同点弾を放ち、チームを2年ぶりの頂に押し上げた。

 一方で、チーム内には離脱中に4番を務めて本塁打王を獲得したデスパイネもいる。はたしてどちらが開幕4番に座るのか楽しみだ。

(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

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