【MLB】NYの酸いも甘いも知るAロッド スタントンに共感「大きなチャレンジの1つ」

現役時代、自身もヤンキースに所属していたアレックス・ロドリゲス氏【写真:Getty Images】

地元紙は辛口ジョーク、Aロッドは「このテーマで教科書が書ける」

 オフにマーリンズからジャンカルロ・スタントン外野手をトレード獲得したことで、アーロン・ジャッジと並び、合計111発の昨季両リーグ本塁打王が揃う今季ヤンキース打線。その他にも、ゲリー・サンチェス、ディディ・グレゴリウス、グレッグ・バードら長打力のある打者が揃い、どこからでも得点が狙える打線が予想される。ヤンキースOBで現在はスポーツ専門局「ESPN」で解説を務める通算696号を誇るアレックス・ロドリゲス氏もまた、今季打線に大きな期待を抱いているようだ。地元紙「ニューヨーク・ポスト」電子版が伝えている。

 臨時コーチとしてヤンキースの春キャンプに参加しているロドリゲス氏は、「新記録更新の可能性を秘めたラインナップだ。長らくお目に掛かれなかったような数字を叩き出す可能性もある」と太鼓判を押したという。

 数々の強打者が居並ぶ中でも、カギとなるのは移籍1年目のスタントンだろう。今季メジャー9年目を迎える28歳外野手は、2007年ドラフト2巡目でマーリンズ入り。以来、マーリンズ一筋でプレーしてきた。「デビュー以来ずっと、閑古鳥が鳴く球場で成績の悪いチームのためにプレーした後で、ニューヨークでプレーすることがどれほど違うか、嫌というほど味わうだろう」と記事が指摘する通り、常にファンの目が光り、辛口メディアが大挙するニューヨークを本拠地とすることは、スタントンにとって最大の変化といっても過言ではない。

 そんなスタントンに共感できるのがロドリゲス氏だ。1994年、18歳の若さでマリナーズからメジャーデビューしたロドリゲス氏は、2001年にレンジャーズへFA移籍。シアトル、ダラスと地方都市を本拠地とする球団でプレーした後、2003年オフにヤンキースへトレード移籍し、初めて大都市の洗礼を受けた。

「ニューヨークにアジャストする手助けは尽きることがない」と話すロドリゲス氏を、記事では「このテーマで教科書を書ける人物」と表現。よくも悪くも、ヤンキース時代は常にスポットライトを浴びたからこそ、分かる苦労も多いのだろう。「いつの時代を振り返ってみても、あれ(ニューヨークへの適応)は私が直面した最も大きなチャレンジの1つだった。地方都市でプレーした選手が世界最大の都市に移籍するのは非常に困難だ」と話し、スタントンに共感したという。

 スタントンは問題なくニューヨークで大活躍するかもしれないが、もし苦労を強いられたら、ロドリゲス氏という大先輩の存在が大きな手助けになるかもしれない。プレーするチームが拠点を置く土地柄も、やはり選手には大きな影響を与えているようだ。

(Full-Count編集部)

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