ラーモス移住地で在外公館表彰=日本の歌手、井上祐見さん=「日系社会に感謝の気持ち」

井上さん、笠戸丸くん

 歌手の井上祐見さん(42、愛知県)がサンタ・カタリナ州フレイ・ロジェリオ市のラーモス移住地で行なわれる在外公館表彰出席のため来伯中だ。息子で「ちびっ子交流大使」笠戸丸ともやすくん(10、同)と共に20日に来社し、日系社会への感謝と今後の意気込みを語った。
 井上さんの受彰は2016年11月に全焼したラーモス移住地の平和資料館への再建活動支援が認められたため。昨年2月に同移住地で再建委員会が発足したことを受け、長崎市が再建支援を正式に決定した。
 昨年、井上さんら協力者がジャイル・ダ・シウヴァ・リベイロ市長に長崎市の田上富久市長から預かった再建支援についての文書と長崎被爆者が寄贈した原爆瓦を渡した。火災に遭う前、15年12月に井上さんと笠戸丸くんが長崎市から「ナガサキ誓いの火」を運び、分灯セレモニーを行なっていた。
 井上さん一行は18日に聖市に着き、26日まで滞在。24日にラーモス移住地で歓迎会が行われ、25日に授賞式。歓迎会では井上さんが歌声を披露するそうだ。
 ブラジルで初公演をしてから、ちょうど20年を迎える井上さんは、「節目の年にこのような賞を頂き、ありがたい」と一言。「今回の受彰同平和資料館に携わった全ての人を代表する気持ちでいる」と語った。
 今後も日伯両国での活動を考えており、「私を歌手として育ててくれた日系社会の皆様に感謝を伝えたい」と語った。援協の巡回診療と一緒に各地を回りショーを行なうアイデアを持っており、同時に非日系人の前でも積極的に歌う機会を作りたいと語った。
 笠戸丸くんも「『笠戸丸』の意味を日本の同世代の子供たちに伝えたい」とし、親子で日伯をつなぐ意気込みを語った。

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