伸銅協会、品質管理指針を策定

会員社の管理水準向上へ

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 日本伸銅協会は20日、品質管理に関するガイドラインを策定したと発表した。昨年会員社の約1割に当たる4社で品質不正が発覚。協会ではガイドラインとして品質管理のあるべき指針を示し、会員社の管理水準向上やユーザーからの信頼回復を図る。ガイドラインは不正事案の反省点も盛り込んだ内容。経営層が主導する重要性や、不具合発生を未然に防止する品質リスクマネジメントの考え方を盛り込んだ投資などを求めている。

 併せて工程能力を踏まえた受注態勢の重要性や試験データの信頼性向上に向けた顧客とのデータ連携の可能性についても言及。経済産業省で他業界のガイドラインにない視点が多く盛り込まれている点について高く評価している。

 経営陣のリーダーシップについては方針策定や周知、教育に加え品質管理担当部署の設置や独立性の確保、ダブルチェック体制の構築など組織整備面でも重要性を強調。さらに品質リスクマネジメントに関しては日々の作業や点検に工程能力などのリスク要因データを活用することで未然に不具合を抑えるとし、さらに品質リスクの分析や評価に基づいた適切な投資を呼びかけている。

 また、契約内容の検証にも言及。製品仕様の取り交わしや受注に関し、要求を満足する製品を確実に製造できるか確認する重要性を記載している。さらに不適合品の処置については発見された際に速やかに当該製品の出荷を止める体制の構築や、再試験・特別採用・廃棄などのルールの明確化に努めることを求めている。今後はガイドラインに関する研修会などで浸透を図るほか、さらに内容を充実させるための改訂も行う方針。求めがあればユーザー団体などへの説明も行う。

 伸銅協会のガイドラインは、(1)工程能力を踏まえた受注態勢(2)特別採用品(トクサイ)の明確化(3)顧客とのデータ連携の可能性―など他業界の関連ガイドラインにはない視点を盛り込んだ。

 経済産業省はこの点について「先駆的な内容」(製造産業局)と高く評価。同省は第4次産業革命に向けた戦略「コネクテッドインダストリーズ」を推進しており、特に顧客とのデータ連携に関する今後の取り組みに期待している。