新日鉄住金エンジの体感プログラム、豊島岡女子学園が総合優勝 中学・高校生が〝エンジニアリング〟体感

 新日鉄住金エンジニアリング(社長・藤原真一氏)は21日、中学・高校生を対象としたエンジニアリング体感プログラム「情熱・先端Mission―E」の最終コンテストを東京・品川の東京海洋大学で実施した。関東4校の中学・高校生が浮体式洋上風力発電所の「浮体」設計に約半年をかけて挑戦。総合優勝に豊島岡女子学園中学校・高等学校が輝いた。

 本プログラムは今年で3度目の開催。今回は豊島岡のほか、東京都立国分寺高等学校、昌平中学・高等学校、聖光学院中学校高等学校の4校が参加し、新日鉄住金エンジチームも参戦した。波・風のある状態での安定性と発電量、アイディアや設置場所の選定などが審査対象となっている。

 当日はプレゼンテーションと同大の水理模型実験棟の造波装置を用いた性能試験を実施。藤原社長や審査員に加え、新日鉄住金エンジの社員や家族などの見学者が見守る中で高度なプレゼンを披露。性能試験では各校が甲乙つけがたい性能を発揮した。

 総合優勝以外ではプレゼンテーション賞の1位に昌平、2位に豊島岡、審査員特別賞に国分寺と聖光学院を選出。また、技術賞は異例となる全参加校が受賞した。コンテスト終了後には藤原社長が修了証を各校へ手渡した。

 藤原社長は「3年前から本プログラムを開始し、3回連続で浮体式洋上風力発電所の浮体設計に取り組んでもらった。これまで十数校が参加しているが驚いたことに同じ浮体はなく、発想の柔軟性や可能性を感じた。コンテストでは想定した性能を発揮できず悔しい思いをした学校もあったと思うがこれが大切で、我々の仕事でも最初から最後まで順調にいくプロジェクトは一つもない。今回の失敗は次の成長の糧となる。将来を背負うエンジニアを目指そうと志す人を1人でも多く作りたい」と講評した。

 なお、次年度は「2026年冬季(札幌)オリンピックの競技場を建設せよ」と題し、無柱の巨大建築物の設計にチャレンジする。

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