電炉用黒鉛電極、品不足18年も継続へ 国内外で需要好調

 2018年の電炉用黒鉛電極の需要量は、国内向け、輸出向けともに17年実績を上回る見通しだ。電炉鋼生産が国内外で好調に推移するためで、電極の品薄状態は今年も継続する公算が大きい。

 電炉用電極メーカーなどが加盟する炭素協会によると、17年の黒鉛電極(丸形電極)出荷量は、国内向けが4万548トン(16年比12・1%増)、輸出向けが7万941トン(同3・9%増)で、総出荷量は11万6547トンと16年比で6・9%増加した。電炉鋼生産の好調が背景にあり、電極生産量も同10・9%増の11万7350トンと2ケタの伸びを示した。

 同協会は18年についても、電炉鋼生産の好調を受けて、電極の需要が国内外で好調に推移するとみている。特に海外では中国の電炉生産の増加が見込まれているという。

 電炉用電極は、中国の「地条鋼」規制などを背景に、昨年下期以降、極端な品不足に陥っており、電炉メーカー向けの販売価格は4月以降、2~3倍に急騰する。電極をめぐっては、主原料ニードルコークスの調達難も顕在化しており、供給力が早期に高まるのは難しい状況。18年も電極の品不足が継続する見通しだ。

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