田中貴金属、金錫付石英ガラスリッド 深紫外LED用に開発

 TANAKAホールディングスは19日、製造子会社の田中貴金属工業が開発した深紫外LED用金錫付石英ガラスリッド「スケリッド」=写真=のサンプル提供を開始したと発表した。

 石英ガラスへの金錫封止材施工時の形状・寸法を適切に制御する独自技術を採用することで、これまで課題だった石英ガラスのクラック発生やメタライズ膜剥離を抑制できるため、歩留まり改善による生産性向上とコスト削減が図れる。水銀ランプに替わる次世代光源として期待される深紫外LEDのほか、今後は半導体レーザーや車載センサ向けなどのデバイスでの金錫封止の活用も期待されている。

 同製品は、石英ガラスをカバー材として採用することで高出力深紫外LEDの透過率向上が可能なほか、金錫付石英ガラスを用いることで封止材のセラミックスパッケージとの位置決めが容易になるなどの特徴もある。

 深紫外LEDは、水銀ランプに替わる光源として期待され、産業向け水殺菌や医療向け空気殺菌の浄化システムとして用いられているが、深紫外波長の透過率が高い石英ガラスと、気密性と耐久性の高い金錫封止材を組み合わせて使用した場合に、石英ガラスのクラック発生やメタライズ膜剥離が課題となっていた。

 なお、同製品は4月25~27日にパシフィコ横浜で開催される「OPIE18」に出展する予定。

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