FA市場最後の大物 セーブ王・ホランドはどこへ行くのか

レギュラーシーズン開幕まであと1週間となった。先日、アレックス・カッブがオリオールズと4年契約を結び、フリーエージェント市場の大物選手の大半は今季の所属チームが決定。昨季のナ・リーグのセーブ王であるグレッグ・ホランドだけがまだ市場に残ったままとなっている。

トミー・ジョン手術により2016年シーズンを無所属のまま全休し、ロッキーズと1年契約を結んで再起を図った昨季のホランド。夏場に一時不調に陥ったものの、ケンリー・ジャンセン(ドジャース)と並ぶナ・リーグ最多の41セーブをマークして自身初のタイトルを獲得し、カムバック賞にも選出されるなど、充実のシーズンを過ごした。

ホランドはロッキーズとの選手オプションを破棄し、クオリファイング・オファーも拒否。セーブ王という実績を引っ提げてフリーエージェント市場に打って出たものの、希望通りのオファーを得ることはできなかった。ロッキーズから3年契約のオファーがあったものの、これを拒否し、ロッキーズはホランドへのオファーと同条件でウェイド・デービスと契約。クローザーの補強を目指していた他球団も、ホランドより安価な選手で軒並み補強を終え、気が付けばホランドは売れ残ってしまった。

MLBネットワークのジョン・ヘイマンは、現時点でのホランド獲得候補球団としてブレーブス、カージナルス、ダイヤモンドバックスの3球団を挙げたが、いずれの球団もホランド獲得を本格的に検討しているわけではない。ブレーブスはまだ再建途上でホランドのようなクローザーを必要としておらず、カージナルスとダイヤモンドバックスは現有戦力のなかからクローザーを指名する方針だ。要するに、ホランドを欲している球団は一つもないという状況なのである。

クオリファイング・オファーを拒否して市場に出たホランドを獲得した球団は、ドラフト指名権とインターナショナル・ボーナスプールを犠牲にしなければならず、それもホランド獲得への大きなハードルとなっている。八方塞がりとも言えるこの状況で、ホランドはどう動くのか。「FA市場最後の大物」は無所属のままレギュラーシーズンの開幕日を迎えることがほぼ確実となっている。

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