さかなクンが一日館長 箱根の美術館

 海の生物などを題材にした作品の企画展が開催中のポーラ美術館(箱根町仙石原)で24日、東京海洋大名誉博士のさかなクンが一日館長を務めるイベントがあった。海について楽しく学んでもらおうと、イラストを交えながら魚や海藻の生態などについて解説。来館者約180人は興味深そうにうなずいた。

 同館によると、2002年9月の開館以来、一日館長を迎えるのは初めて。同館では、19世紀末に活躍したフランスのガラス工芸作家エミール・ガレが、森と海をテーマに制作した作品約130点を紹介する企画展を開催している。これに合わせて、来館者により美術作品に親しんでもらおうと開催した。

 研究者である一方、魚のイラストレーター歴も20年以上というさかなクン。この日は、イラストを描きながらクイズ形式でトークショーを盛り上げた。「ワカメは最大2メートルの大きさになる」「アマモは根っこが甘い」など、会場の笑いを誘いながら生物の特徴や生態などについて説明した。

 またガレの作品の多くでモチーフとなっているタツノオトシゴについては、熊本県水俣市で撮影された水中映像を紹介。「タツノオトシゴは海藻が茂り、プランクトンが多く漂う豊かな海で生きる」と解説した。

 小田原市から家族で訪れた児童(8)は「名前を初めて知った魚もいて、知らない魚がまだまだいるんだと思った」と目を輝かせていた。

 ガレの企画展は7月16日まで。午前9時〜午後5時(入館は同4時半まで)。入館料は一般1800円など。問い合わせは、同館電話0460(84)2111。

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