宮ケ瀬ダム絶景、観光の目玉に 年10日解放

 ダム観光の目玉の一つにしようと、国土交通省相模川水系広域ダム管理事務所は2018年度、相模原市、愛川町、清川村にまたがる宮ケ瀬ダムの点検用に使われる「フーチング階段」を10日間一般開放する。ダム本体(堤高156メートル、堤幅375メートル)に沿って海抜約290メートルの高さまで設けられているため、巨大な構造物を間近に見ることができ、眼下の雄大な景観も楽しめる。

 フーチング階段は510段、高低差約125メートル。地上高約296メートルの「横浜ランドマークタワー」並みの高さまで景色を楽しみながら歩くことができる。ダム湖を背にした右岸側に位置し、有料ケーブルカー・インクラインに隣接している。

 毎秒約30トンの水がごう音と共に高低差70メートルを流れ落ちる観光放流(年間70日実施予定)を行う4〜11月の期間、おおむね月1回のペースで開放する。17年度には試行的に2日間開放。訪れた人から「歩くのはきついけど楽しかった」「間近でダムが見られた」と好感触を得られたという。

 国交省は地域振興の一環で首都圏最大規模の宮ケ瀬ダムを観光資源に生かす取り組みを進め、02年度から観光放流を行ってきた。迫力満点の景色が人気を集め、17年度(4〜11月)の見学者数は10万1100人と10万人の大台に初めて乗り、過去最多となった。

 同管理事務所は「景観も楽しみながらダムを身近に感じてもらえればいい。18年度も多くの方に訪れてもらいたい」と期待する。

 階段を一般開放するのは4月29日、5月25日、6月22日、7月29日、8月14〜16日、9月17日、10月26日、11月22日。いずれも午前10時から午後3時まで。

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