やまゆり園取り壊しへ住民説明会 相模原

 19人が殺害された県立障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市緑区)の再建計画で県は25日、居住棟などを取り壊す工事の住民説明会を開いた。

 同園近くの千木良公民館に、県から福祉部、県土整備局住宅営繕事務所、工事を請け負う会社、設計事務所の各担当者が顔をそろえ「意見を聴きながら丁寧に進めたい」とし、献花台の設置継続を約束した。

 建て替え対象は居住棟(東・西)と、管理棟を結ぶ渡り廊下2カ所、作業棟の計5カ所。2018年度中に取り壊し、2年間の工事を経て21年度中にすべての利用者の入所を完了する計画。新築工事の業者は現在選定中だという。

 取り壊しは4月から準備し、本格着手は5月の連休明けの予定。特に6月から10月には大型ダンプカーの通行が多い日で50台程度になると想定。近くに小学校があることから交通事故を懸念する住民の声が相次いだが、警備員の配置や千木良交差点から園までの間は、登下校時間帯は原則として工事車両は通らないことを強調。工事責任者の携帯電話番号も公表した。

 また、アスベスト(石綿)含有建材が作業棟の一部屋根、軒裏などに使用されていたため、法令に従い適切な手順で撤去するという。

 入倉かおる園長と並んで説明に聞き入った家族会の大月和真会長(68)は「住民の懸念を知りたかった。いよいよ建物が無くなる寂しさと、なぜ、こんなことになってしまったのかという思いもある。一つ一つ、無事に進むよう祈る気持ち」と心境を話した。

 問い合わせは県福祉部共生社会推進課電話045(285)0738。

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