良かった? 悪かった? 中日・松坂のOP戦最終登板を森監督はどう見たか

中日・松坂大輔【写真:荒川祐史】

5回3失点の松坂、森監督は「1歩上の段階に来た」と一定の評価

 中日の松坂大輔投手が25日、ナゴヤドームで行われたロッテ戦で、開幕前最後のオープン戦に先発した。当初の予定通り5回まで投げ、球数は93球。4回にロッテ打線につかまって3点を失い、6安打3四球で3失点という内容。降板後は「スッキリ抑えたいと思っていましたけど、それは出来なかった。残念ですけど、予定通り5回100球前後を投げられたのは良かった」と振り返った。

 初回は3者凡退の立ち上がり。2回も安打は許したが、結果的には打者3人でゼロに抑えた。3回も四球2つを与えたが、ここも無失点。立ち上がりの3イニングはゼロを並べていった。開幕ローテ入りを目指す右腕は5回6安打3失点の内容。オープン戦3度目のマウンドは果たして合格点だったのか、それとも課題が残ったのか。

 森繁和監督は、この松坂の登板をどう見たのか。試合後、指揮官はこう語った。

「あくまで予定通りの5回100球を目指していたことについては分かっている。試合中の立ち上がりとしては、なんとなくいつもよりスピードが出ていない気がするというのは聞いていたんですけど、それは別として、ゲームを作ることに関しては立ち上がりからうまくいっていたと思います」

 まずは試合への入り、初回を3者凡退に抑えて試合のリズムを作った点を評価した。

 ただ、課題も見えた。3回に四球で出した田村、加藤に相次いで盗塁を許し、4回にも中村に盗塁を決められた。松坂はこの3盗塁について「今日は(捕手の松井)雅に申し訳なかった。僕に原因がある」と話している。5回には藤岡裕の盗塁を阻止し「最後のイニングはクイックの仕方を変えた」と明かしている。

公式戦初登板は4月4日の巨人戦が有力も「色々な考えはあります」

 この点は森監督も言及。「クイック、スチールに関してはリハビリで、投げることに関して集中している時に、牽制だ、クイックだというのは出来るだけ言わないようにしていた。これからは当然ゲームに入っていく上で、ああいう風にスチールを簡単にされてしまうと、バッテリーもチームも困る」とし、ここまではまずしっかりと投げることに集中させるために、あえてクイックモーションなどについての指摘はしてこなかったと明かした。

 5回の降板後にはベンチで松坂と言葉を交わし、このクイックについても話をしたという。

「気が付いたようにクイックしてアウトにしましたけど『出来るなら初めからやったほうがいいんじゃないか』と言いました。これから練習の中では取り入れていかなくちゃいけない。シーズンに入っていくのであれば、ね。今の時点での5回100球というものはクリア出来ているので、これからはあとは回復力、これからの投げ込みによって変わってくるとは思いますけども、シーズンに向けて1歩上の段階に来たとは思います」

 指揮官の中でもステップが上がり、ペナントレースに向けた段階に入ったとの認識を示した。

 公式戦初登板は4月4日の巨人戦(ナゴヤD)が有力とされている。これについて森監督は「色々な考えはありますよ。でも、それはこれからトレーナー、本人と話し、コーチと話します。いくつかの案は考えていますけど、それがどこに当てはまるかは今の時点ではなかなか言えないですし、当てはまる日が分かった時点で言うようにしますけど」とし、明言は避けた。26日以降の松坂の状態も確認した上で最終決定される。

 プレシーズンから大きな注目を集めてきた松坂。間違いなく言えるのは、まずは、右肩に異常なく無事に開幕を迎えられる準備は整ったようだ。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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