九州製鋼、舗装メーカー「くりんか」と提携 「保水性舗装材」を共同開発、原料に電炉スラグ使用

 九州地区の有力小棒メーカー、九州製鋼(本社・福岡県糟屋郡、社長・清本邦夫氏)は23日、親会社の総合鉄工メーカー、キヨモト(同・宮崎県延岡市、同・清本邦夫氏)、保水性舗装メーカー、くりんか(同・福岡県宗像市、同・楳木忠秋氏)と業務提携し、同社で発生する電炉スラグをリサイクルした、新タイプの透水性保水性舗装『KESロード』を共同開発。九州一円で展開する方針を明らかにした。今後3社は、電炉スラグ・石炭灰のリサイクルによる地産地消活動を通じ、持続可能な環境未来都市づくりに貢献する。

 業務提携にあたっては、環境ビジネスを支援している産学官のネットワーク組織『九州環境エネルギー産業推進機構』(福岡市博多区)が橋渡し役を務めた。『KESロード』は、「くりんかロード」(石炭灰が骨材)と同様に、雨水を透水して保水する二重構造の舗装工法。くりんかが保有する特許技術をベースに、原料に九州製鋼佐賀工場(佐賀県武雄市)で発生する電炉スラグ(年間1万5千トン)の一部を使用する。保水性重視の「くりんかロード」に比べて約1・5倍の強度を誇る。

 九州産業技術センターで開かれた業務提携調印式で、キヨモト社長を兼務している清本九州製鋼社長は「今回は酸化スラグのみの使用だが、用途が広がり付加価値が付くことは意義がある。小さく生んで大きく育てたい」と挨拶。楳木くりんか社長は「提携を結ぶことで、製品バリエーションが広がり道が開ける」と語った。

© 株式会社鉄鋼新聞社