日産と住商の合弁会社、EVの使用済リチウム電池の再製品化工場開業

 日産自動車と住友商事の合弁会社で、リチウムイオンバッテリーシステムの製造・販売などを行うフォーアールエナジーは26日、電気自動車(EV)の使用済みリチウムイオンバッテリーの再利用および再製品化に特化した日本初の工場(福島県双葉郡浪江町)を開業したと発表した。世界初のEV向け交換用再生電池をはじめ、大型蓄電システムや電動フォークリフトなどに使用される製品を供給する予定。使用済み電池の年間回収目標は2250個。

 同工場の敷地面積は約2448平方メートル。グローバルな開発拠点としての機能と製造拠点としての機能を有し、国内初の再利用・再製品化拠点となる。同社は10年に設立されて以来、再利用・再製品化のノウハウを蓄積し、使用済みバッテリーの性能を短時間で測定できる技術開発に成功している。

 今後はEVの買い替えなどに伴い、EV搭載リチウムイオンバッテリーの回収個数が大きく増加すると見込まれている。一方で世界の自動車市場ではEVシフトが急速に進むと見込まれており、将来的なバッテリー材料市況の高騰など経済的課題や環境課題、社会課題の面からもEVリユースバッテリーの利活用が期待されている。

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