有望株・アクーニャJr. 契約延長オファーがあったことを完全否定

フィリーズの有望株、スコット・キンガリーがメジャーデビュー前に6年2400万ドルで契約を延長したのに続き、ブレーブスが超有望株のロナルド・アクーニャJr.に対して総額3000万ドルの契約延長をオファーしたとの報道が出た。しかし、アクーニャJr.本人は球団からオファーがあったことを完全に否定している。

アクーニャJr.は「正直に言うと、その話がどこから出てきたかわからないんだ」と通訳を介して語り、契約延長を断ったとの報道が出ていることに対して困惑した様子を見せた。さらに「今のところ、僕のところには契約に関する話は来ていない。契約延長に関する話をしてきた人はないよ。だからオファーを断ったなんていうことは有り得ないし、それに似たような話もない」と語り、オファーの存在すらを完全に否定した。

金銭面での保証を得るために、アクーニャJr.の家族がブレーブスとの長期契約に興味を示していたことは事実のようだ。しかし、家族との非公式の交渉は、アクーニャJr.に対して正式なオファーを提示するほどには発展しなかったという。総額3000万ドルという具体的な数字が出てはいるものの、本人が完全に否定している以上、オファーはなかったと判断するのが妥当だろう。

仮に、アクーニャJr.がキンガリーのような契約延長に合意すれば、ブレーブスはフリーエージェント権取得に関するサービスタイムを気にすることなくアクーニャJr.を起用できるというメリットがある。しかし、契約延長は成立していないため、ブレーブスはアクーニャJr.のメジャー昇格を日本時間4月15日以降に先延ばしする可能性が高い。そうすることにより、アクーニャJr.のフリーエージェント権取得を2023年シーズン終了後から2024年シーズン終了後に先延ばしすることができるからだ。

また、アクーニャJr.が日本時間4月15日以前でなくとも早期昇格を果たせば、いわゆる「スーパー2」の対象となり、通常3年の年俸調停期間が4年に延びる可能性がある。そのあたりの事情も含め、ブレーブスがアクーニャJr.の契約延長や昇格時期についてどのような判断を下すのか。アクーニャJr.がオープン戦で実力を大いにアピールしただけに、大きな注目を集めるトピックの一つとなることは間違いなさそうだ。

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