屈指の先発3本柱、若手、助っ人、ベテラン ペナント奪還に燃える楽天のキーマン

今季の活躍が期待される楽天・藤平尚真【写真:荒川祐史】

昨年は4年ぶりのAクラスとなる3位、シーズン序盤は首位争いを演じた

 楽天の2018年シーズンは、3月30日にZOZOマリンスタジアムで開幕する。昨季の戦いぶりを振り返れば、4年ぶりのAクラス入りを果たし、クライマックスシリーズファイナルステージにも進出するなど、非常に充実したシーズンだったことは間違いない。

 しかし、あと一歩のところでリーグ制覇を逃した悔しさを忘れた者はいないだろう。「日本一の東北へ」のスローガンを掲げ、目指すはあくまで2013年以来の歓喜の瞬間だ。そこで今回は、開幕に向けて一層期待が高まる楽天のキーマンたちを改めて紹介する。

 まずは投手陣から。楽天の先発陣は、間違いなくリーグトップクラスと言えるだろう。4年連続4度目となる最多奪三振を獲得した絶対的エース・則本昂大を筆頭に、自身初の2桁勝利を達成した美馬学、各成績で高水準の結果を残した岸孝之の3本柱が、今季も投手陣を力強くけん引してくれるはずだ。

 また、大きく注目を集めるのが、昨季後半戦から勝ち星を重ね、チームの大型連敗を2度も止めた藤平尚真だ。3月21日のオープン戦では、苦しみながらも5回を投げて9奪三振、1失点。投手王国結成へ、2年目となる次期エース候補・藤平の投球から目が離せない。

 続いて救援陣だ。昨季は福山博之、高梨雄平、ハーマンが合計167登板のフル回転で、ブルペンと終盤のゲームを支えた。今季も大きな期待が寄せられるが、その負担を考えればさらなるリリーフの出現は不可欠だ。あと1ピース、新戦力が加われば、9回のマウンドに立つ絶対的守護神・松井裕樹に最高の形でバトンを託すことができるだろう。

助っ人トリオは健在、OP戦首位打者の内田に期待

 野手陣では、まず茂木栄五郎の活躍が重要だ。3年目ですでにチームの顔を張る茂木は、1番打者ながら初球からフルスイングをかける積極的な打撃で、昨季序盤におけるチームの首位独走に大きく貢献。しかし、故障で一時離脱すると、チームも徐々に失速してしまった。

 とはいえ、球団生え抜き選手初の2桁本塁打となる17本塁打、打率.296の成績は見事だ。茂木の存在がチームの成績に直結していたといっても過言ではないだけに、今季はシーズンを通した活躍に期待したい。

 同様にチームにとって非常に重要な存在となってくるのは、昨季リーグ3位の135本塁打を放った打線の中核を担う外国人選手だ。ウィーラーがリーグ3位の31本、ペゲーロが26本、アマダーが23本の本塁打を積み上げ、チームの長打力は飛躍的に向上した。開幕からアーチを量産し、リーグ制覇の道のりを力強く後押ししてもらいたい。

 もちろん、昨季リーグ5位の打率.293を記録した銀次や、全試合に出場して自身初の2桁本塁打を放った島内宏明などの活躍も不可欠だ。特に、オープン戦で首位打者に輝いた内田靖人には注目したい。ファームでは非凡な打棒を見せ付けていたが、これまで1軍では結果を残せなかった。今季を飛躍のシーズンにしてもらいたいところだ。

 さらに昨オフ、渡辺直人が待望の復帰を果たした。昨年末の会見では「取ってよかったと思ってもらいたい。現役生活があと1年で終わってもいい。そういう覚悟でやっている」と力強い言葉を残したベテラン。プロ12年目を迎えるが、リーグ制覇は経験していない。37歳が、野球人生の集大成を見せるべく、熱い炎を燃やしている。

 昨年の快進撃は、楽天というチームが持っている本来の力を十分に物語った。東北に2度目の歓喜をもたらすべく、荒鷲戦士たちは今季も長く厳しいシーズンに臨む。ファンと選手、そして東北全体が一丸となって、歓喜の瞬間に向かって突き進んでいきたいところだ。

(「パ・リーグ インサイト」編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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