三菱アルミなど2社の不適切行為、「受注、納期優先」が原因

新検査システムなどで再発防止

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 三菱マテリアルは28日、アルミ事業2社(三菱アルミニウム、立花金属工業)で発生した品質問題の調査報告書を公表した。不適切行為の発生原因には、受注・納期優先などを挙げた。再発防止策としては、検査データ書き換えができないシステムの導入や特別チームによる品質保証能力の見極め、品質管理部門の強化を挙げた。

 三菱アルミや立花金属で問題に上がっているのは、試験データの書き換えや検査の未実施など。板製品においては、規格を逸脱した場合の処理方法を定めた非公式の「特採処理実施規定」が運用され、データの書き換えが行われていた。JIS規格に基づかない試験の実施は25年以上前から実施されていた可能性が示された。

 調査委員会は、三菱アルミでは「伝統的に受注獲得を重視し、工程能力を顧みない受注活動が実施されてきた」と指摘。その中で規格順守に対する意識の低さが定着し、さらに縦割り組織による他部署との交流の少なさなどが品質問題を引き起こす原因となったとした。

 立花金属においては検査機器などの品質保証関連設備の更新遅れにより、設備上JIS規格の充足が困難だった場合を確認。組織としても検査人員不足や、品質安定化の生産技術を扱う部署の不在だった。こうした環境下、出荷へのプレッシャーなどがあり不適切品が出荷されたとまとめた。

 再発防止策をめぐっては、開発・製造・品質保証・営業部門によって構成される「社内諸会議体等」により事前に工程能力、検査の能力、生産能力などを総合的に検討することを決めた。ここで品質保証能力を的確に見極め、受注判断を行う「フロントローディング」の強化を図るとした。このほか測定データ確保の厳格化や人事ローテーションの促進、内部通報制度改革などを実施していく方針を示した。

 また、今回の問題を受けて三菱アルミ、立花金属の両社長が報酬月額3割、三菱アルミ常務3人と立花金属常務養老工場長が2割を自主返納することを決定した。