メッツがホランド獲得を検討も正式オファーには至らず

昨季ナ・リーグ最多タイの41セーブをマークしたにも関わらず、レギュラーシーズン開幕前日になっても所属先が決まらないグレッグ・ホランド。メッツが獲得を検討し、球団内部で議論が行われたようだが、正式なオファーを提示する段階には至らなかったようだ。

MLB公式サイトでメッツの番記者を務めるアンソニー・ディコモが得た情報によると、メッツは自軍のブルペンに昨季のセーブ王を加えることについて、球団内で議論を行ったという。しかし、本格的にホランド獲得に向けて動き始めた様子はなく、オファーを提示するような動きも見られない。ディコモは「契約が成立する可能性は低い」と報じている。

今季のメッツのブルペンは、昨季6セーブに終わった2016年のセーブ王、ジューリス・ファミリアがクローザーを務め、昨季途中に加入した元マーリンズのクローザーであるAJラモス、昨季70試合で防御率2.33をマークした新加入のアンソニー・スウォーザック、貴重なリリーフ左腕であるジェリー・ブレビンスがその脇を固める布陣となっている。ファミリア、ラモス、ブレビンスはいずれも今季終了のフリーエージェントとなるため、ホランドを複数年契約で獲得することは今季のみならず、来季以降に向けての戦力補強にもなるが、ファミリアに復活の可能性がある以上、メッツがホランド獲得を急ぐ理由はない。

ホランドはロッキーズとの選手オプションを破棄したあと、ロッキーズからのクオリファイング・オファーを拒否しており、ホランドを獲得したチームはドラフト指名権とインターナショナル・ボーナスプールを犠牲にしなければならない。ただし、6月初旬のドラフトが終了すると、このルールは適用されなくなるため、ホランド獲得を検討する球団は6月まで待つ可能性が高い。レギュラーシーズン最初の2ヶ月を現有戦力で戦いつつ、ブルペンの補強が必要であると判断した場合は6月以降にホランド獲得に動く、というシナリオが現実的だろう。

昨季のセーブ王は、希望の契約条件を引き下げて妥協しない限り、6月のドラフト後まで契約が決まらない可能性が極めて高くなったと言えそうだ。

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