3月の代表ウィークでマリ、セネガルを相手に勝利することができなかった日本代表。
2018年ワールドカップに向けた不安から一部メディアではヴァイッド・ハリルホジッチ監督の解任論も出ているが、そんな日本にもジャイアントキリングを成し遂げた過去はある。
そこで今回は、日本代表が強豪国に勝利した5つのケースを見ていこう。
1. アルゼンチン
日時:2010/10/08 (金)
試合情報:国際親善試合 (@さいたま)
スコア:日本代表 1-0 アルゼンチン代表
得点者:岡崎 慎司 (19分)
対戦相手で出場した主な選手:ハビエル・マスケラーノ、カルロス・テベス、リオネル・メッシ
【コメント】
アルベルト・ザッケローニ監督の初戦だったこの一戦で、日本はアルゼンチン相手に7試合目にして初めて勝利した。
まだ選手を把握し切れていないという指揮官は、2010年W杯メンバーを中心にスタメンを形成。
殊勲の決勝点を決めたのは、岡崎慎司。長谷部誠のシュートのこぼれにしっかりつめていた。
試合後、敵将だったセルヒオ・バティスタ氏も「テクニックがあり、いいチームだった」と日本を讃えていた。
選出者:編集部I
2. ベルギー
日時:2013/11/19 (火)
試合情報:国際親善試合 (@ブリュッセル)
スコア:ベルギー代表 2-3 日本代表
得点者:ケヴィン・ミララス (15分)、トビー・アンデルヴァイレルト (79分) / 柿谷 曜一朗 (37分)、本田 圭佑 (53分)、岡崎 慎司 (63分)
対戦相手で出場した主な選手:ヤン・ヴェルトンゲン、エデン・アザール、ロメル・ルカク
【コメント】
2014年ワールドカップの前年末に行われた欧州遠征。
世界屈指のタレント集団であるベルギーを相手に、日本は敵地で2-3と競り勝った。
当時のベルギーはほぼフルメンバーであり、FIFAランキングも5位に急浮上するなど力をつけていただけに、世界を驚かせる結果となった。
なお、日本はこの数日前にオランダとも対戦しており、2-2のドローを演じた。華麗なパスワークから本田圭佑が決めたゴールは、ここ数年におけるベストゴールの一つだろう。
選出者:編集部S
3. チェコ
日時:2004/04/28 (水)
試合情報:国際親善試合 (@プラハ)
スコア:チェコ代表 0-1 日本代表
得点者:久保 竜彦 (33分)
対戦相手で出場した主な選手:ペトル・チェフ、パヴェル・ネドヴェド、ヤン・コレル
【コメント】
日本代表が上げた金星の中でも、一点の曇りもなく「会心の勝利」と言えるのがこの試合だ。
相手のチェコは近年こそ国際舞台で目立った成績を残せていないが、当時はネドヴェド、ポボルスキー、ロシツキー、コレルら“黄金世代”の絶頂期で、EURO本番を間近に控えていることもあって日本戦に揃って先発していた。
そんな相手に勝利を収めたこともすごいが、決勝点もすごかった。稲本のパスを受けた久保竜彦がゴール前でウイファルシをかわすと左足一閃。矢のように高速のシュートは、チェルシー移籍前の若き守護神チェフの反応を許さず、ニアサイドをものの見事にぶち抜いたのだ。
ゴールを決めた久保は後年、「相手は本気じゃなかった」と語っている。
それでもチェコはこの数カ月後に行われたユーロのグループステージでオランダ、ドイツを撃破しベスト4入り。その潜在能力は間違いなく当時の世界最高峰であった。
選出者:編集部H
4. フランス
日時:2012/10/12 (金)
試合情報:国際親善試合 (@サン=ドニ)
スコア:フランス代表 0-1 日本代表
得点者:香川 真司 (88分)
対戦相手で出場した主な選手:ウーゴ・ロリス、ブレーズ・マテュイディ、カリム・ベンゼマ
【コメント】
2010年代に日本代表が達成した代表的な“ジャイアントキリング”の一つだ。
トルシエジャパン時代の2001年3月に0-5の大敗を喫したスタッド・ド・フランスで、カウンターから香川真司の劇的弾により勝利。11年越しのリベンジを果たした。
一方で、結果を見すぎるのも危険な試合だ。この試合の日本は序盤からフランスに圧倒されており、違いを見せていたカリム・ベンゼマらが前半で交代してくれたことによりペースを握ることができた。
親善試合はあくまで親善試合。自分たちだけでなく相手がどういった狙いを持ってその試合に臨んでいるかもしっかり評価する必要がある。
選出者:編集部O
5. エジプト
日時:2007/10/17 (水)
試合情報:国際親善試合 (@大阪)
スコア:日本代表 4-1 エジプト代表
得点者:大久保 嘉人 (21分、42分)、前田 遼一 (53分)、加地 亮 (68分) / ムハンマド・ファードル (58分)
対戦相手で出場した主な選手:アハマド・ハッサン、ホスニ・アブド・ラボ、アムル・ザキ
【コメント】
AFCアジア/アフリカチャレンジカップ2007として行われた国際親善試合。
2006年のアフリカネイションズカップを優勝したエジプト代表を長居競技場に迎え、日本代表はなんと4-1と大勝することに成功した。ただ、この試合はなんともタイミングが悪かった。
エジプトはアフリカ王者ではあったが2006年のワールドカップ出場を逃しており、2008年のネイションズカップ予選はこの時点ですでに終了。
すでに突破は決めており、地元で行われた10月13日夜の予選最終節では新戦力を試していた。さらに、地球の裏側からやってきて日本時間の17日夜に試合。どう考えても無謀なスケジュールである…。
アル・ハダリーやゴマア、アブトレイカら主力の一部が不在、さらにコンディションも万全ではないエジプトは、本領発揮とは行かず。日本代表がペースを掴み、最終的には快勝という結果となった。
ただ、ここで大敗したエジプトは3ヶ月後のアフリカネイションズカップ2008で連覇を達成。彼らにとっては「いい新戦力のテストの場になった」と言えるのではないか。親善試合とはそういうものでもある。
選出者:編集部K